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zoom RSS 全国学力テストについて

<<   作成日時 : 2005/08/30 22:45   >>

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 文部科学省が学力テストを実施することに決めたことについて、いろいろな議論がなされている。どのような議論が文部科学省内部で議論されたかはわからないし、また、その目的がひとつではないだろうが、現在の教育の状況の打破の仕方のひとつの選択であることは間違いなく、そして、それは間違った選択になる恐れが強い、という点も言わざるをえない。
 1960年代に行われた全国学力テストは、私が実際に中学生として受けたものである。全国的にはかなりもめたものであるが、私の中学ではなんということもなく実施された。問題意識が低かったのかも知れない。
 60年代の目的は、「学習指導要領」を全国に徹底させることであったと言える。戦後導入された学習指導要領は、最初の2回は、「試案」と明記され、あくまでも参考であって、現場で相違工夫することが求められていた。しかし、1958年から「法的拘束力」があると文部省は主張しだして、そのための検定強化と全国学力テストを実施したのである。
 もちろん、当時から法的には、文部省は教育委員会に対しては、監督命令を行うことは認められておらず、指導助言をする権限をもっているだけだった。だから、学力テストを実施することを強制することはできなかったのである。しかし、それを強行したからこそ、大きな問題となった。
 もちろん、今やろうとしている学力テストでもそれは同じである。だから、「強制はしない」と断っている。だが、今では、文部科学省が「指導」する全国学力テストを断るような自治体や学校があるとは思えないほど、その意向が徹底するようになっているのかも知れない。実際、現場にいるわけではないので、そこらに注目したいと思っている。
 ところで、全国的なテストであるから、当然集計などは相当の時間がかかるはずである。問題を完全なマークシートにするのか、あるいは、PISAのような記述式を入れるのかによって、集計時間にかなりの相違がでると思われるが、今回のきっかけのひとつが、PISAの低スコアだったのだから、当然、記述式や思考力・表現力を測る内容をいれるべきだろう。もしそういう内容でやるのならば、文部科学省も「本気」だと思う。しかし、結果を早く出し、現場への影響を確実に出したいのならば、マークシートのような形式にするだろう。そこらは、よくわからない。
 学力テストというからには、学力の状況を把握して、それを教育現場の改善に役立てることが、常識的な目的だろう。しかし、60年代の目的がそうではなかったように、今回の目的もどうかはわからない。オランダでもCITOテストという全国の学力テストを行っているが、その重要な目的は、学力不振の学校を底上げすることが重要なひとつになっている。そのテストで点数平均が低かった学校には、補助金を出して、学力の底上げ指導をするように促進させるのである。
 しかし、そのようなことは、文部科学省は考えているのだろうか。むしろ、学力テストをすること自体に目的があると考えるのは、私の偏見だろうか。
 つまり、今の教育状況というのは、ずっと「受験」を契機としての勉強を組織してきた現場で、少子化の影響で、受験圧力が有効に機能しないことによって起きていると、私は考えている。それは、むしろ受験勉強などという、無意味な勉強ではなく、生涯役に立つ勉強を組織するのに、絶好のチャンスなのだが、なんとかして、「競争」を復活させたいという人たちがたくさんいるのである。だから、全国学力テストを実施するわけだ。全国的な学力テストを実施し、その結果がわかるとなれば、県でも市でも、また学校単位でも、そして親達も、かなりの部分は、良い結果を出すためにしゃかりきになろうとするだろう。どれだけ子どもが踊る?かはわからないが。
 しかし、それはせっかくのチャンスを捨てることになる。
 「ゆとり」が正しかったかは別として、受験学力とは違うものをめざしていた文部科学省の政策は間違っていなかった。しかし、PISAショックの揺り戻しは、かなり大きな力となって文部行政を動かしているようだ。

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