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zoom RSS 学校づくりを考える(1)

<<   作成日時 : 2005/08/31 23:06   >>

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 私は今は学校選択問題が研究テーマのひとつになっているが、その関係で、学校設立にも関心がある。もっとも、広い意味での学校設立ということになるかも知れない。
 学校選択というのは、当然学校設立が伴っていないとあまり意味がない。今主に研究対象にしているオランダでは、「教育の自由」が憲法的に保障されていて、「教育の理念」についての自由、「教育内容・教員編成の自由」と学校設立の自由がセットになった概念だ。つまり、国民の権利として、自己の教育理念にのっとった学校を設立して運営する権利があるわけだ。そういう前提に、学校選択の自由が確立している。
 最近は、日本でもむしろアメリカのチャータースクールの影響で、学校を作る権利などが注目を集めているが、特別な学校を作るという意味での設立の権利というのは、やはり、限界がある。ないよりましだが、権利は多くの人に開かれて、実質的に保障されていてこそ意味がある。
 さて、学校を作るというのは、決して私立学校だけではなく、公立学校を作るのも、学校作りである。オランダでは公立学校も、決して地方政府の学務委員会が事務的に設立しているのではなく、誰か有能な「校長」候補を選択して、彼に学校設立を大幅に任せるような作り方をすることが多いようだ。だから、校長がフレネ学校に共感していたりすると、公立学校なのに、フレネ学校ができあがることになる。
 これまでの日本は公立学校は画一的であることが当たり前だったが、だんだんそうではなく、やはり公立学校にも個性が必要であると認識されるようになってきた。「機会均等」の理念によって、学校が均質であることが求められるというような認識があったが、実際には学校はかなりの差があったのが現実であり、むしろ現実的な差があるということを前提に学校を運用するほうがいいという、当たり前の認識が普及してきたということだろう。学校を作るというのは、どういうことなのか、しばらくこのブログで考えてみたいと思っている。
 さて、学校を視察にいったのではないのだが、ある学校を訪問する機会があった。その学校は学制のときに作られた日本最古の小学校のひとつであるということだったが、数年前に全面的に建て替えられた。有名な学校建築であるかどうかはわからないが、なかなか意欲的に設計されており、いろいろと興味深かった。もっとも、理想と現実は違うということを実感もさせてくれたのだが。
 建物は非常にシンプルなロの字型をしている。ヨーロッパの大きな建物や日本でも以前の官庁などはそうしたものが多かったと思う。そして、その一角が一階がプールで2〜4階が体育館になっている。全体として4階建てである。
 それ以外の部分が廊下と教室や様々な部屋になっている。
 通常の教室は普通の教室であるが、幾分小さめである感じがした。そして、多目的部屋がいくつかあるが、そこはオープンスペースになっている。人口が増えて、子どもが多くなっているので、多目的部屋を通称の教室に作り替えているのがあると言っていた。今時、子どもが増えて学級数が増えているというのは、珍しい。
 特別として、理科室、図工室、家庭科室などもある。パソコン室はないようだ。車椅子などにも配慮がされていて、エレベーターやスロープがある。
 かなり魅力的な構造なのだが、いくつかの疑問点を感じた。
 多目的室というのは、例えば総合学習などで、調べ物をしたり、あるいはグループ学習をしたりする場合に使用するのだろうが、その場合子どもが流れることを想定して設計される必要があるが、そうした子どもの動きはあまり考慮されていないように感じた。というのは、通常の教室と多目的室が離れており、フレキシブルな動きには向かないように感じたのである。オープンスペースと教室はかなり流動的に移動できるような感じが望ましいと思うのだが。
 この学校で日本の教育の妙な部分を感じたのはプールだ。実は温水プールで通年使用が可能である。しかし、通年使用すると不公平になるので、通常の外のプールが使用できる時期だけ温水プールを使用するのだそうだ。たしかに同じ公立学校なのに不平等だという文句がでるだろう。しかし、これこそ宝の持ち腐れではないか。この地域では他にもそういう学校があるのだそうだが、うまく地区割りして、他の学校の生徒も利用できるようにすればいいだけのことではないかと思うのだが。今は、部活の指導者が減ってきたので、部活は学校ごとではなく、移動して独自の部活集団を形成しようという動きもあるのだから、そうした移動をすることは、やり方を工夫すれば十分に可能だろう。そんな平等に意味があるのか、疑問をもたざるをえなかった。先生たちも残念に思っているに違いない。

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