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zoom RSS 全国学テへの梶田氏のコメント

<<   作成日時 : 2005/09/08 17:17   >>

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 9月3日の毎日新聞が全国学力テスト問題を扱っていて、識者のコメントとして、梶田叡一氏の以下のようなコメントが掲載されている。
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◇学習指導に生かせる−−梶田叡一・兵庫教育大学長(心理学・教育研究)の話
 ゆとり教育にしても総合学習にしても、きちんとしたエビデンス(根拠)に基づく議論がされていないことが教育政策を迷走させる原因だ。悉皆による学力テストを上手に使えば、子どもたちの学習指導に生かせる可能性がある。自分の弱い分野を把握し、補習などにつなげることもできる。
 過度の競争をあおらないよう、結果の公表の仕方に最大限の注意を払うのは当然だが、大学全入時代のいま、40年前と同じ弊害が起きるとは思えない。
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 正直言って、唖然とした。もちろん、新聞のコメントなどは、かなり長く言っても一部だけ新聞社の都合のよい部分だけ掲載されることが多いから、これが梶田氏の本意ではないかも知れないが、とりあえず、読者としては、このコメントで判断するしかないのだから、このように梶田氏が考えているという前提で考えてみよう。
 「過度の競争をあおらないよう」というが、そもそも文部科学省が悉皆調査を復活させるのは、競争が緩やかになったために国際学力テストで結果が悪くなった、だから、競争を復活させる必要があるというのが、その目的である。この記事の前の方に、「今回の構想は昨年11月、就任間もない中山成彬文科相が「もう少し競い合う心が必要だ」などと述べ、意欲を示したのがきっかけだ。」と書いてある通りである。記事全体は、義務教育費国庫負担法をめぐる地方と中央の綱引きに、学力テストが絡んでいるという分析であるが、それはそれとして別の問題であろう。悉皆調査としての全国学力テストが、「競争をあおる」をことを目的としているのに、「過度の競争をあおらないように」ということで、「上手に使えば」役に立つようなことを言っているのは、ピント外れとしかいいようがない。
 また、「自分の弱い分野を把握し、補習などにつなげることもできる」というに至っては、本当にこの人は教育評価論の大家なのだろうかと思ってしまう。自分の弱い分野を把握し、それを次の学習につなげるというのは、個々の教室レベルでの話であって、それをしっかりやることは重要であるが、全国の学力テストがめざすものは、全国的な学力の動向なのであって、個々の生徒の学力状況ではない。ある特定の学年だけで実行するのだから、その時だけ国語と数学のテストを受けて、自分の弱い分野を把握することに役立つわけがないのである。実際に私は中学のときに、この全国学力テストを受けたことがあるが、個々の生徒の成績などは帰って来なかったし、また、話題にもならなかった。目的が違うのだから、そういう資料として使われることはないだろうし、また、そういう目的で使おうとしても、たいした資料にはならないだろう。
 梶田氏のコメントで、最初の部分は肯定できる。たしかに、しっかりした議論なしに政策を決めているようだし、そのことが迷走の原因のひとつだろう。

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