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zoom RSS オランダの社会と文化 日本と比較しながら(2)

<<   作成日時 : 2006/05/28 22:33   >>

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いいことはやってみよう
       究極の合理主義者のとらわれない改革


世界で最初に「歩行者天国」を実施したのは、小野伸二が所属していたフェイエルノートの本拠地、オランダのロッテルダムである。今でも賑わう歩行者天国の一角にその旨を記した小さな碑がたっている。そしてロッテルダムにはまた「キュービックハウス」という外見は傾いた箱の集積であるようなマンションが建っている。外から見ていると、あんな家に住めるのか、何故あんな家を作ったのかと不思議に思う人が多い。 キュービックハウスは広まっていないようだが、歩行者天国は確実に世界の大都市に広まっていった。今では当たり前になった歩行者天国も、車道は車が通るところという常識二とらわれては決して実現できないシステムだ。伝統的な観念にとらわれているとなかなか実行できないことを、オランダという国家やオランダ人はは実践してみる気風がある。ここではそうした代表的な事例を実際に日本と比較しながら考えてみる。

世界で最初に安楽死を容認

私は一九九二年から一年間オランダのライデン大学に、学校制度の研究をするために留学していた。九三の二月のこと、ライデンのマクドナルドでコーヒーを飲みながら新聞を読んでいると、「安楽死法案国会通過」という見出しが目に飛び込んできた。もっとも、日本なら一面トップは間違いないこのニュースも、中のページに小さな記事としてひっそり報道されていたに過ぎない。この小さな扱いも驚きだが、安楽死がオランダではかなり行われているということを知らなかったので、「合法化」という内容にすっかり驚いてしまった。もちろん、日本でも九一年に東海大安楽死事件が起こっており、興味をもって事件を追っていた。それをきっかけとしてオランダ人に安楽死のことを機会があったらできるだけ聞いてみた。そして次第にオランダの安楽死事情やオランダ人の考え方がわかってきた。
 私が意見を聞いたオランダ人はことごとく、安楽死を望む者が可能となるシステムを容認していた。それは医者も同様だった。私が家を借りていた家主はライデン大学の医学部の教授だったが、やはりシステムとしては賛成であると言ったが、ただし自分は医者として実行したくないと留保的意見を述べてくれた。私がオランダで会った唯一の反対者は、私をライデン大学に招待してくれたラトケ教授だったが、しかし彼はドイツ人であった。ドイツとオランダの安楽死に対する姿勢の違いは明瞭で、それは主にナチ時代の経験による。
 興味をもってメディアに注目するようになると、安楽死に関わるニュースが少なくないことに気づいたし、また、法案に至る過程をあとで述べるが、その後も事態が進展していることが分かった。
 四月の新聞に精神的苦痛による安楽死を起訴という記事が出た。
長男を自殺で失い、次男を肺癌で失った50歳の女性が、生きる望みを失って自殺を図ったが死ねなかったので、オランダ安楽死協会(de Nederlandse Vereiniging voor Vrijwillige Euthanasie) を通じて一人の精神科医を紹介してもらい、安楽死を依頼したというものだった。依頼された精神科医は、7人の専門家に対して意見を求め、3人の証人の列席のもとに、判断を聞いた。その判断は彼女の苦しみは耐えがたいものであり、医学によって治療できないので、安楽死の実行は否定できないというもので、結局その精神科医による安楽死が実行された。検察は、通常の安楽死の基準に当てはまらないとして、起訴したのである。
 これに続いてすぐに認知症に関わる医者の検討結果の記事が出た。1985年以来、王立医学協会は認知症の延命措置に関する委員会を設け、検討してきたが報告書を出した。
日本でも尊厳死や安楽死には「本人の意思」が問題となるが、認知症は本人の意思確認ができない。そこで、医学協会は、もし「生命終焉措置」をしなければならない場合、刑法的に問題にならないような基準を明確にする必要に迫られたのである。ところが、この報告書を報道したふたつのオランダのクウォリティペーパーは微妙な相違を示していた。
 NRCは「医者はときとして、自ら痴呆症患者の生命を終わらせてもよい」とし、Volkskrantは、「王立医学協会は身体的苦痛が条件 痴呆症患者の生命は終焉させられてもよい」と紹介した。これは問題の難しさを表現していると理解すべきだろう。

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