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zoom RSS オランダの社会と文化 日本と比較しながら(23)

<<   作成日時 : 2006/07/10 22:35   >>

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困った人たちへの募金の多さと銀行システム

 この題をみて多くの人は「なんだこれは」と思ったに違いない。前回書いたことは、オランダ人の協調性についてである。この協調性は決して地域社会に対してだけではなく、国際社会に開かれている点が注目されてよい。「オランダ人はけちだ」という評価があるが、実は国際社会で災害が起きたとき、オランダ人は最も援助金の応募が多い国民に属する。もちろん、人口が少ないから額は大きくないかも知れないが、一人当たりの援助は常にトップクラスなのだ。日本でも人気番組の「愛は地球を救う」という24時間番組は、オランダで最初に行われたものだそうだ。ドイツ国境に近いアーネムという市に、障害者たちが働きながら共同生活をする村があるが、その村はそうした番組の寄付によって作られたという。
 残念ながら日本人の災害への援助金はあまり自慢できる水準ではない。オランダ人とこの問題について話し合う機会があったが、何故日本人はあまり災害援助をしないのかと問われて困ってしまったことがある。しかし、日本人にはそうした援助感覚がないとは思わない。むしろ、それはシステムの問題なのではないかとオランダにいたときに思った。
 私が子どもの頃は、台風などで家が破壊されたりすると、古い毛布などが大量が被災地に届けられたものだ。しかし、やがてそうした古物は受け取る側が敬遠するようになり、また、廃棄物処理的感覚で送られるというような批判もされるようになって、現金を送ることが基本になっていった。しかし、日本のシステムでは現金を被災地に送るのはけっこう面倒なのだ。それがオランダでは非常に簡単にできる。この違いなのではないかと思っている。
  10年前の日本の銀行は実に不便なものだった。基本的にお金の出し入れは、3時までしかやっていない銀行の支店に行って行う必要があった。もっとも「引き出し」はATMでできたが、ATMも時間が伸びたのは最近のことであって、支店が開いている時間帯しか使えない時期が長かった。
 ところがオランダではずっと以前から、お金の出し入れのために銀行に行く必要はない。引き出しは24時間使用可能なキャッシュコーナーが街中にあるし、送金は指定の紙に書いてポストに入れておけばいい。銀行に口座を作ると、送金のための用紙と封筒が渡される。通帳はなく、お金の出し入れは銀行からの郵便で通知され、バインダーに閉じておく。
 さて、世界のどこかで災害が起きると、すぐにテレビで、この災害地に寄付をする意思のある人は、画面の口座に送金してください、と字幕がでるのだ。オランダの銀行は、**銀行++支店などというのがなく、全部それが数字に組み込まれているので、口座番号だけ書けばいいことになっている。自分の銀行口座と相手が異なっても全く問題はない。前述の用紙に口座番号と金額を書いて封筒にいれてポストに投函すれば寄付の完成である。
今でも日本ではテレビで表示される被災地への寄付口座は郵便局のものが多く、実際に出向かなければならない。やはり強い意志と時間をもっている人でないと、なかなか寄付はできないのではないだろうか。
 日本では、この10年間、銀行の利用システムは実に大きな変化をとげた。ATMで出し入れだけではなく、振込などもできるようになったし、時間帯が飛躍的に拡大した。そしてとうとうコンビニにATMがおかれるようになった。これで24時間使用できるとい
うことだ。
 しかし、コンビニATMで寄付が容易にできるという感覚はまだ広まっているようにも思えない。また、コンビニにあるということは、こうした便利さを24時間労働という、ヨーロッパ的感覚ではかなり非人間的な労働環境において実現していることになり、「協調性」と「相互援助」という精神の立場とは違う気がするのは私だけだろうか。

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