教育と社会を考える

アクセスカウンタ

zoom RSS オランダの社会と文化 日本と比較しながら(45)

<<   作成日時 : 2006/11/21 22:15   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0

オランダ人の独立心の育ち方

オランダ人は非常に独立心の強い国民だ。人に世話されるなら安楽死を選ぶという感覚にそれは端的に現れている。日本人は寝たきりになったとしても、家族の世話を受けながら長生きすることを望むし、また、家族もそれを望む。しかし、もともとオランダ人は子ども夫婦と一緒に住むことはほとんどないし、自分で生活できるときには必ずすべてを自分でこなそうとする。そんな「独立心」はどうして育つのか。

 もちろん誰にも分からないが、オランダの社会システムとオランダ人の育ち方を見ると何となく想像がつく。オランダ社会は「人生選択」の機会が非常に多い。義務教育が始まる4歳から5歳にかけて「学校」を選ばなければならない。もちろん選ぶのは親だとしても、学校見学には子どもを連れて行くだろうし意見も聞くだろう。入ってから嫌なことがあれば自由に変われるのだから、このまま我慢するか転校すべきか、常に選択可能な状態に置かれる。12歳になると重大な人生選択を迫られる。日本なら私立受験は別としてみんな同じ中学に行くが、オランダ人は全員が格差のある学校を自分で選ばなければいけない。
 日本ではまだまだ偏差値が支配的で、偏差値で振り分けられる感覚が強い。自分がどう生きていくかを思い描きながら進路、進学先を決めていくという感覚はまだまだ乏しい。入試に受かるかどうかもわからないわけだから、まずは合格を目指す。
 しかし、オランダでは卒業資格が上級学校の入学資格だから、進路を自分の生き方と結びつけて考えざるをえないし、また、その結果については自分の選択だから自分に責任がある。

 18歳になると親から独立だ。
 他のヨーロッパ諸国もここは似たような状況にあるが、オランダでは18歳になって親と同居していると奇異の目で見られるという。だからみんなが親から独立して自分で生活していくことを望んでいるかどうかはわからないが、そうすることが社会的に求められる。

 生活も自分でしなければならないが、更に多くの青年は同棲相手を見つけて共同生活だ。誰と住むのか、一人か。一緒に住んだら、結婚するのかしないのか、常に選択を迫られる状態におかれる。大人になれば日本人とさして違わない状況になるとしても、大人になる前にこれほど重大な人生選択の機会を通り抜けなければならないのだ。結果は全て自分に降りかかってくる。

 日本と比べると子どもの生活で大きく違うことがある。日本ではお小遣いを与え、お年玉もたっぷり。子どもたちは不労所得で好きなものを買える。しかしオランダではお小遣いもお年玉もない。必要なものは親が買ってくれるが好きなものを自分で買うには稼がなければならない。高齢者の犬の散歩代行や地域新聞の配布、留守宅の新聞を取っておく役など、小学生でもやれるバイトはあるから、欲しい物は労働の成果として手に入れる。
 小さいころからの「選択」と「労働」がオランダ人の独立心を育てているのではないか。


画像

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
オランダの社会と文化 日本と比較しながら(45) 教育と社会を考える/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる