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zoom RSS オランダの小学校で殺人事件 オランダの社会と文化 日本と比較しながら(45) 

<<   作成日時 : 2006/12/03 22:28   >>

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 オランダは凶悪犯罪の非常に少ない国家であるという評価になっていた。日本も安全な国家であると国際的な評価を得ていたが、それも近年は怪しくなっていることは、多くの人が感じているだろう。
 オランダは軽犯罪は多いが、凶悪犯罪は少ない。しかし、911テロ以降、かなりオランダ社会が変わってしまったことは、何度か指摘した。今度出版した著書で、共同執筆者である見原さんが、そうした状況を扱っている。
 2002年に政治家のフォルタインという人が暗殺されて以来、オランダでは殺人や暴力が目立つにようになってきたのだ。イスラム学校が放火されたりもしている。
 そうした動向に関連しているのか、全く別のことなのかは、現在では全くわからないが、オランダの小学校で授業をやっている時間帯に、8歳の子どもが殺害されるという事件が起き、大きなショックを与えている。
 12月1日、11時15分頃に事件は起きたようだ。講堂のような広い場所で作業をしていた被害者の子どもが、別の用事のために先生の許可を得て別の部屋に行ったところ、なかなか帰って来ないので、先生が何か作業に困難があるのかと思い、探しに行くと首に大怪我をして倒れているのを発見し、間もなく死亡したようだ。
 すぐに警察が動きだし、近所をうろついていた怪しい22歳の人物が逮捕されたようだが、まだ真犯人かどうかは、当日の新聞ではわからない。
 オランダの学校の構造上、こうした事件は非常に起きにくいはずであった。日本の学校は池田小学校事件でわかるように、部外者がほぼ自由に入れた。その後警戒されるようになったとはいえ、まったく入れないようになっている学校は、私の知る限りあまりない。訪問者は受け付けを通すように注意書きがある程度で、実際にはチェックされていないのが実情だろう。
 しかし、オランダの学校は、ほとんど入ることは難しい状態になっている学校がほとんどだ。予めアポイントをとり、ベルで呼び出してドアをあけてもらわなければ入ることはできないようにしている学校が、少なくとも私が訪問した学校ではすべてだった。一般にヨーロッパでは、庭には入れるようになっているが、建物は厳重に鍵をかける。宮殿などでも、庭は市民が自由に出入りできるが、中に入るにはチケットを買わなければならない。これが通常学校も同じようになっている。
 だが、この事件のあった学校では、校舎がふたつに分かれていたということもあり、ひとつのドアは常に開いていたのだそうだ。現在詳細はわからないが、数年前から、オランダでは小学校を大きくする措置がとられ、公費補助の基準人数を引き上げる傾向にあった。そのために、小さな学校は、形式的に合併し、全体の人数が多いようにして、しかし、もともとの校舎を維持して、ふたつの校舎で学習するというやり方で、基準を下回り公費を得られない状況になることを防ぐ対応をとる小学校が少なくなかったのだが、おそらくその影響なのではないかと思われる。つまり、教師達の往来があったために、ドアを開けておくようになったのではないかと思うのである。
 こうした規模拡大政策は、福祉国家オランダにおける「新自由主義」的な政策のひとつと言われている。オランダは北欧と多少異なって、新自由主義的な政策が部分的に導入されているのだが、教育においてはこうした面で現れている。
 市長や校長は、こうした事件は聞いたことがないとショックをうけ、保護者たちへの説明会を開き、また、近々予定されている祭りなどはすべて中止にしたようだ。
de Volkskrant 12.1 Jongen(8) vermoord op basisschool, verdachte(22) aangehouden

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