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zoom RSS 教育再生か教育撲滅か(4)

<<   作成日時 : 2007/01/06 22:49   >>

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 昨年12月に安倍内閣によって教育基本法が改正された。しかし、法律は出来上がればそれなりの効力を発するが、しかし、国民の支持がないと機能しないことも忘れるべきではない。改正案の国会審議の最中に、教育基本法の改正案についての国民の意見を聞くためのタウンミーティングがやらせであったことが次々と明るみに出たことは記憶に新しいはずだ。教育基本法というような重要な教育原則を議論するために、このようなでたらめなやり方が政府によって勧められていたことが明らかになった以上、すべてを白紙に戻すのが当然のことであったが、当時の閣僚の軽微な処分でことを済ませた。こうしたことこそが、国民の信頼を喪失させ、また子どもたちの中に不信感を醸成する非常に迂遠ではあるが原因となることは、疑い得ない。
 また、これはあまり指摘されていないが次のような事実からも、教育基本法を改正する人たちの筋の通らない側面が見える。
 昨年政治資金規制法の改正案が国会を通り、外国資本による企業であっても、政治献金を可能とするように変更した。それまでは外資が50%を超える企業は外国の影響力を持ち込むことになるという理由で、政党への献金が許されていなかった。しかし、これを改定したわけだが、その理由の主体ものは、経団連会長であるキャノン御手洗氏である。昨年3月に読売新聞は次のように報じていた。

 「財界は昨年、「政策本位の政治に向けた企業の社会貢献として、政治寄付を促進する」(奥田碩・日本経団連会長)との姿勢を明確にした。ところが、日本経団連次期会長に内定している御手洗冨士夫氏が社長のキヤノンが、03年に外資比率が50%超に達して以降、献金を中止しており、「会長企業が献金できなければ掛け声倒れだ」との声が浮上していた。(読売新聞2006.3.21)」
 
 つまり外資が半分を超える企業が経団連の会長企業になったので、それが献金できないのは具合悪いということに過ぎない。もちろん読売新聞はご都合主義だという批判があることを指摘している。
 ところで、この御手洗会長は今年の年頭の挨拶でメディアに対して、企業でも国歌斉唱・国旗掲揚をすべきだという意見を公表している。先進国では常識なのだそうだが、私はヨーロッパの企業内で国歌斉唱をしているという話はほとんど聞いたことがない。
 更にこのキャノンという企業は、多くの工場で非正規職員を大量に雇用し、その割合が8割にもなる工場すらある。
 
 今回の教育基本法改正が愛国心の問題を軸にしていたことは誰も否定しないだろう。そういう表現が厳密にはなく、公明党への配慮から曖昧な記述になったとしても、これが根拠になって愛国心が学校現場の中でより大きな比重を持たされることになることは当然の流れだろう。
 もちろん、愛国心というような「心」を教育という外的な作用によって育成することができないことはほとんど常識に属する。もし、それが可能で、愛国心をもてばりっぱな人間になるというのなら、国旗・国歌がきわめて重視され、徹底した愛国心教育が施されているはずの警官や自衛官の犯罪が起きるはずがないだろう。しかし、彼らの犯罪が一般人に比較して、「少ない」とはとても言えないはずである。
 
 こうしたことから見えてくることは、非正規職員を大量に雇って労働条件を低下させている企業、しかも外資系の企業が経団連という日本の経済政策を担う枢要なポストにつき、学校ではもちだろうが、企業ですら愛国心涵養を押し進めようとしているということだ。おそらく非正規職員には外国人もいるだろう。彼らにも日本国歌を歌うことを強制するのだろうか。
 これらの状況を見れば、教育基本法が改正されたからといって、それがそのままの形で現場で生きていくということはあまり考えられないのである。

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