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zoom RSS 刑務作業と社会復帰

<<   作成日時 : 2007/02/21 22:48   >>

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 読売新聞2007.2.21号に、法務省が刑務所を出所した人たちへのアンケートを実施したことを紹介している。記事の一部を引用しておく。

 「調査は、法相の諮問機関「行刑改革会議」の提言を受け、2005年度中に全国74施設を出所した受刑者3万27人(有効回答84・1%)を対象に実施した。
 受刑者が施設内で行う刑務作業に関する質問では、「良かった点」(複数回答)として、約4割が「規律正しい生活習慣」や「忍耐力」が身に付くと回答。しかし、「不満だった点」(同)で、「社会復帰に役立たない作業が多い」が約35%、「作業の業種の希望を聞いてもらえない」が約28%あった。
 職業訓練についても、受刑中に訓練を受けなかった1万9252人のうち、約64%が「訓練を受けたかった」と回答。法務省矯正局では「高度な技能が身につくような内容の刑務作業を確保するのが難しく、職業訓練も希望者全員が受けられる体制になっていない」と説明している。」(2007年2月21日21時30分 読売新聞)

 興味深いことは、約3万人のうち2万弱、つまり3分の2が受刑中に訓練を受けておらず、しかも訓練を受けなかった者の64%は受けたかったのだそうだ。そして、受けた人の40%は生活習慣とか忍耐力での積極的評価があるが、実際の具体的訓練の効果という点ではかなり不満があるということのようだ。
 一時韓国の刑務所でコンピュータブームで、受刑者の多くがコンピュータを学ぶことを希望し、資格などをとっている、そして、出所後刑務所で得た技術を活かして社会復帰しているというようなことが紹介されたと記憶する。その際、日本の刑務所でのコンピュータ教育は著しく遅れているのが問題だとされていたと思う。
 もちろん、多くの日本人は、悪いことをして刑務所に入るのだから、苦しむのが当然で、まして希望する職業訓練を受けようなどというのは虫のいい話だと感じているだろう。しかし、いくら不快でも、しっかりと効果的な訓練をして出所して、その後まじめな社会生活を営めるようにするのが、社会的負荷が最も軽いのである。社会復帰に失敗すれば再度犯罪を犯す危険性が高いわけであるから、やはり刑務所での教育活動はより社会に適合的であり、かつ効果的になされる必要がある。このことを多くの国民が認識することが大切なのだろうと思う。
 
 そういう意味で非常に参考になるのは、北欧の制度である。スウェーデンやデンマークでは刑務所は厳格な試験を経てのことであるが、定期的に外に出て活動することが許される「開放的刑務所」制度をとっている。そして、多くの国民はそのことを認識している。もちろん、遊ぶために外出するわけではなく、多くは学校に通う。また、スポーツクラブなどで指導をする者もいる。これは刑務所だけではなく少年院などにも適用されている。
 もし、国民の多くが納得すれば、これは日本のように刑務所内に教育の場を設定するよりもずっと合理的でかつ経済的である。社会に既にある学校を利用するわけだから、わざわざ刑務所の中に様々な教育形態を用意する必要がないし、また、刑務所にいる者にとって最も困難なことが、社会と触れ合うことで、人々とうまくやっていくことなのだから、こうして外に定期的にでることで、人々と接することができ、それが社会復帰にすることを容易にするだろう。
 ただ、綿密な調査をしたわけではないが、私がスウェーデン人とデンマーク人に実際にこの制度をどう思うか聞いたとき、スウェーデンの多くは肯定的であったが、デンマーク人はほとんどが批判的であった。だから、単純に社会に十分に受けいれられているのかはまだわからないと感じた。

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