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zoom RSS 北海道のいじめ調査をめぐって

<<   作成日時 : 2007/02/27 07:29   >>

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教育委員会による「いじめ調査」

 読売新聞北海道版によると、北海道で道教育委員会が実施している「いじめ調査」に北海道教組が非協力の態度をとっていることが問題となっているようだ。自民党の中川幹事長までが協力しないことはけしからんという談話を発表している。
 しかし、ことはそんなに単純な問題だろうか。
 調査の内容自体は報道されていないので、正確な判断はできないが、このいじめ調査がいじめ解決に本当に役立つのかは、これまでの経緯から見るとそれほど肯定的に考えることはできない面があることも事実だ。何故ならば、2006年末のいじめ騒動は北海道で起きたいじめ自殺を市の教育委員会が隠蔽したという事実から起きたものだからだ。このいじめ調査はすでに何度か実施されており、市によって異なるだろうが、道教委による調査であるということで、北海道全体が関わっているのだろう。
 そうすると、2005年に起きた自殺が1年後に問題になったということ、そして、その間の「調査」によれば、いじめ自殺はまったくなかったとされているのだから、こうした調査が全く無意味だったことがわかる。
 やる側からみると、当然いじめの実態を明らかにするために必要だということになるのだろうが、いじめの実態を隠蔽してきたという事実がある以上、この調査の意味が問われて当然であろう。

 教組側の言い分は、いじめ調査がいじめを解決するために有効ではなく、むしろ疑心暗鬼を生むというマイナスの効果があるということのようだ。少なくとも、解決に有効であったとは言えないのが事実だから、教組側の言い分はまったくナンセンスとは言い難い。そして、こうしたいじめ調査が疑心暗鬼を生むことは、これまでの教育現場で行われてきた調査がそうした結果を生む危険性がある場合を指摘されているから、これも必ずしもナンセンスとはいえない。
 よく知られた事例としては、ソシオメトリーという調査方法がかつてよく行われたが、これは子どもたちに、教師以外は見ないという条件で、交友関係(仲のよい人、悪い人、好きな人、嫌いな人等)を書かせ、学級の人間関係を教師が把握することで、指導に役立てるというものだった。この調査は、強い批判を受けて、いまではあまり実施されていない。もちろん、有効性が全くないとはいえないだろうが、不用意に行えば子どもたちの間に「疑心暗鬼」を生むことは明らかだ。実際にこの調査を行われたという経験をもつ人たちに聞いても、不快であったということがほとんどだ。

 もし、教委の行っているいじめ調査が、そうした危惧を生じさせる可能性があるものなら、調査をすることが、却って逆効果である危険性はおおいにある。
 しかも、報道によると、いじめ調査に協力しなかった学校等を公表するという。これこそ、脅しであり、ある種のいじめであろう。
 調査の内容や方法はもっと考察したいと思うが、このような教委のやり方をみると、拒否する側の感覚もある程度理解できるような気がする。
 この調査を拒否した人々も、いじめ解決を望んでいることは疑いない。従って、実態を把握することは不可欠だろう。そういう中で、調査の内容な方法をきちんと合意して行うことが大切なのであって、圧力をかけて実施させるようなものではないだろう。
 今回のいじめ調査自体は、昨年の隠蔽という事実の反省を踏まえたものということなので、おそらくこれまでの調査とは違うのだろう。しかし、それならば、尚、合意形成が必要であり、教委が行うのだから、実施して当然ということではない。

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