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zoom RSS 足立区学力テストをめぐる朝日新聞の記事

<<   作成日時 : 2007/07/08 21:24   >>

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 7月8日の朝日新聞によると、足立区の学力テストにおける不正が報道されている。障害児の成績を集計から外したとか、似たような問題で練習させていたとか、あるいは、机間巡視している教師が間違った解答をしている生徒に、合図しているなどが指摘されている。「いつか来た道」というべきだろう。
 とはいっても、なんのことかわからない人がほとんどだろうと思う。1960年代に文部省の強権的な指導で、全国学力調査が悉皆調査として行われ、各地の学校に大きな傷跡を残した。その最も大きなものは、練習をさかんに行い、成績の悪い生徒を当日休ませたりしたりして、学力テスト一位を争ういくつかの県であった。そして、そうした県では決まって非行も上位だったのである。そうした実態が明らかになるにつれて、学力テストへの批判が強まり、廃止されたわけだが、その後数十年間、文部省は、学力テストが実施できなかったわけである。
 しかし、ついに文部科学省が全国テストを実施しただけではなく、都道府県や市町村単位の学力テストが行われるようになっている。足立区は、こうしたテストの結果で、上位校に予算を多くつけるという方法を発表して、世間の批判を受け、とりあえずそうした配分を止めたという経緯がある。
 今回またまた足立区の話題が出てきた。
 こうしたことを足立区の学校選択制度の責任にする論調があるが、それほど単純な問題ではなかろう。
 朝日新聞の記事をみてみよう。

 「足立の教育を考えるネットワーク」の高須有子代表(38)は「テストの結果で学校の人気が決まるため、校長は躍起になっている。休み時間を削ってテスト勉強をさせている学校もあると聞く」と憤る。
 自身も2人の子どもを区内の小学校に通わせている。「子どもたちの間で『バカ学校』『エリート校』という言葉が飛び交っている。人気校に行けない子はどう思うか。どの学校でも胸をはれるのが義務教育の良さではないでしょうか」

 テストの結果で学校の人気が決まるとすれば、それは親の意識も問題だろう。「どの学校でも胸をはれる」ことは確かにその通りだが、それは多様な基準を親たちがしっかりともつことによってしか成立しない。「制度」の責任にするわけにはいかないだろう。学校選択制度は、選抜試験をしないのだから、学習に自身のない子どもも、どんどん成績優秀な学校に応募することができる。そうして、平均化されれば、次第に学力格差が縮まる可能性もある。

 大事なことは、学校選択とか、学力テストをどのように「使うか」という学校関係者や住民の「力量」にかかっているのだ。

 前回の問題が起きたとき、確かに、足立区の教育委員会は、成績上位校に重点配分することはやめると述べたが、支援が必要な学校に重点配分すると明確に述べたのだろうか。

 再び朝日新聞によると、「〈学力テスト問題に詳しい耳塚寛明・お茶の水女子大教授(教育社会学)の話〉 足立区教委は、学校の責任と教育行政の役割をきちんと分担しており、区の学力テストは、支援が必要な学校の「底上げ」を図ることに重点が置かれていたはずだ。しかし、区教委の説明どおりだと、本末転倒、その趣旨は実現されなかったことになる。底上げ以前に現場をゆがませるのであれば、学力テストの副作用が大きすぎたと考えざるを得ない。 」というように、耳塚教授の言葉を掲載している。

 おそらく、世論の批判に対して、ポーズとして、支援が必要な学校の底上げをはかるというようなことを曖昧に述べたのだろうが、その姿勢を徹底させたわけではないと考えざるをえない。そこには、足立区教育委員会の勘違いがあるとしかいいようがない。
 足立区が23区の中で都が実施する学力テストで最下位であったことが、先のような重点配分を打ち出した原因であったようだが、学力テストの順位をあげるためには、上位校に重点配分する「餌ぶら下げ」方式では効果がないことは明らかである。そもそもこうした学力テストは60点程度が平均となるように作成されるのであるから、それよりも上位をあげるよりも、下位をあげる方が容易であるし、また、その幅も大きい。下位が大きく平均点を下げているから、順位が下がるのであり、下位の底上げをしっかりすること以外に、足立区の不名誉を挽回することはできないことをしっかり認識する必要があるのである。
 学力水準が低い学校を支援が必要な学校と認定し、そこに予算や人員を重点配分することを、明確に表明し、確実に実施すれば、上記のような不正は起こりようがないし、また、少しずつ学力水準が上昇していくはずである。

 足立区教育委員会は早く、誤った認識を正すべきだろう。

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内 容 ニックネーム/日時
不正は、よくないと思います。でも、どこから不正なのでしょう。荒川区の区学力テストも去年は過去の問題をやって持ち帰りました。子供は、本番とは違うといっていました。今年、練習でかめむしの読解問題、やくわりやうさぎとかめのイラストを見て、文を選択、そして、お弁当のイラストをみて、自分で文を書くを事前の練習でしたそうですが、本番と同じだったといっていました。でも、少し違うと学校に確認をしたら、おこさんがうそをついているとおもいませんかと言われて、練習もしていないかのように事実それが本当がどうか、また、学校もにた問題をやるといわれました。4*5の問題の選択をはなしたら、偶然、4段は難しいからと、今年は練習の問題はもちかえり禁止だそうですが、学校の話をきくとやっていないようなことをあとから、先生によっては過去のテストをと、実際どこまでかは、事前の練習問題をもってかえらないとどこまでが事実でどこまでがうそかどこまでが不正かはわかりません。
めあてをりえかりふ
2014/04/21 01:27

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