教育と社会を考える

アクセスカウンタ

zoom RSS イギリスで創造性を評価するための研究が

<<   作成日時 : 2008/06/08 13:01   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 創造性を何らかの標準的なテストで測ることができるのだろうか。もちろん、民間にはそうしたテストもあるかも知れない。しかし、日本の学校にそうしたテストが導入されているという話は聞かない。もちろん、創造的であることの内容は議論があるとしても、各教師が生徒の学力以外の能力を考慮し、教育実践に役立てているという事実はあるだろう。リーダーシップ能力があれば、積極的にクラスのリーダーとして活動する機会を与えるなどをしない教師はいないに違いない。
 しかし、今イギリスでは、創造性を測る方法を研究し、これまで見過ごされがちであった創造性を教室で評価し、それを延ばすようにしようという政策がとられはじめているそうだ。
 2月15にのタイムズ教育版は、Plan to measure creativity という題する記事を掲載している。記事の内容を簡単に紹介しよう。
 
 雇用主には必要であるが、これまで伝統的なテストでは測ることができなかった「ソフトスキル」が評価されるようになるだろう。その場合の創造性や想像性は単に美術や音楽などのような芸術的な科目だけではなく、あらゆる教科に関係し、リスクを引き受ける、問題を提起する、快活な雰囲気をもたらす、コミュニケーションを促進する、チームワークを機能させる等を含んでいる。これまでのテストでは、小さいが確実な自信、チームワーク、リスク引き受け等を見逃していたというわけだ。
 そこで、美術、音楽、演劇等で活躍している専門家を2000人学校で活動してもらい、その報告を受けることになっている。
 しかし、そうしたやり方はかえって、創造性を窒息させるという批判も当然ある。また、創造性はテストのようなもので測ることはできないのであって、日常的に接している教師がその実践の中で評価できるものであるとする批判もある。
 それに対して、とにかく、創造性の測定は「研究すべき」であるという立場もあり、10の地方当局に試行として、毎週5時間すべての生徒が芸術活動を行なうようなプログラムを与え、3年間で2500万ポンドの資金が用意された。
 
 これが記事の概略である。
 イギリスは長い「試験制度」の歴史をもっている。その中で、さまざまな試行が行なわれてきたが、そうした試験では「知的」領域が重視されてきた。一般にヨーロッパの学校は「知的」領域を重視し、学校行事や部活のような活動は、日本に比較すると軽視されてきた。もちろん、生活全体の中で軽視されているというわけではなく、それは学校外で行なう活動であるという位置づけであり、スポーツや芸術活動はさかんに行なわれている。しかし、学校の中であまり行なわれていないということは、もちろん、そうした活動に関わる能力の評価は、日本ほど重視されていないと考えてよいだろう。
 ただヨーロッパで、教科以外の要素が成績でつかないかというと、そういうことはない。私の娘がオランダの学校でもらった成績表には、生活面や集団の中での活動等に対する評価がついている。しかも、教科と同じレベルで同じ並びでついている。逆にいうと、あまりこういうことに拘らないのかも知れない。
 しかしこのイギリスの記事は、かなり趣が異なる。創造性等をかなり精密に測る方法を研究し、その評価を更に進学等に使っていこうという意図を感じる。しかし、本来制度的な教育において、創造性を育てることは難しいと考えられてきた。創造性は、これまでになかったことを考えたり、作ったりすることだが、教育は基本的にこれまでに存在したことを教えることだからだ。
 だからといって、不可能ではないと前提でこの研究が政策的に行なわれるのだろう。今後を注目したい。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
イギリスで創造性を評価するための研究が 教育と社会を考える/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる