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<<   作成日時 : 2009/05/13 22:33   >>

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 5月12日の朝日新聞に、「白血病生徒の受験拒否」という記事が載っていた。少し問題は違うが、受験拒否に関連する事態を経験したこともあり、興味深い記事だった。
 事実関係は、急性リンパ性白血病と診断され入院治療を受けていた中学3年の女子生徒が、自宅から通いやすいという理由で長崎日大に願書を出したが、「合格する学力はあるが、個室を用意できないから受験を控えてほしい」と告げられ、願書と受験料が返却された。そして、急遽私立純心女子と公立高校を受験し合格、今は公立高校の生徒であるという。
 受験の個室が用意できないとか、理由はあったとしても、どうも本音は、病気の生徒を受け入れるのは教師にとって負担だという思いだったように、記事は書かれている。
 これに対して、二人のコメントが掲載されている。まず法政大学の尾木直樹氏。「学ぶ権利は誰にでもある。私立も都道府県から助成金をもらっており、公的責任がある」と、拒否した高校を批判している。また、日本私立中学高等学校連合会の吉田晋氏は「私立は公立と違い、学校で判断できる裁量が大きい。助成金も運営費全額もらっているわけではない。できる配慮はすべきだが、一人のために対応が難しい場合もある」と、擁護の立場だ。

 私はこの問題を少々違う角度から考えた。尾木氏も吉田氏もそれぞれの立場から述べており、決して間違ってはない。私立学校が受けている補助は、それほど大きくはなく、それを理由に公的指導を全面的に受けねばならないというのは、不合理である。しかし、補助を受けている以上、「教育を受ける権利」を充足する責任も負っている。

 いずれにせよ、この論理だけで決着をつけることはできない。
 しかし、このことが長崎日大高校にとって、どういう「評価」につながるのか、という問題も避けて通ることはできない。以前は、障がいがあり、その学校の教育についていくことができないと考えられると、それを学校が断ること、それも受験の段階で断ることは、当たり前とはいえないにせよ、批判を受けるようなことではなかった。しかし、次第に、障がいをもった受験生を、受験の段階で断るのは、学校としての社会的責任上問題があるという社会意識が定着しつつある。

 発達障害者支援法という法律も制定され、教育機関の責任も規定されている。もっとも、
(教育)
第八条
 国及び地方公共団体は、発達障害児(十八歳以上の発達障害者であって高等学校、中等教育学校及び特別支援学校に在学する者を含む。)がその障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるようにするため、適切な教育的支援、支援体制の整備その他必要な措置を講じるものとする。
2 大学及び高等専門学校は、発達障害者の障害の状態に応じ、適切な教育上の配慮をするものとする。

と書かれているように、私立の中学や高校は、対象外となっているように読める。しかし、むしろ、今では、ハンディを負った生徒、あるいは特別な困難をもった生徒を教育する教育力があるか、ということが問われる時代になっているといえる。
 新聞によると、長崎日大は受験生が多かったので、教室を用意することができなかったというのだが、受験拒否が、教育力を批判されることがないか、考えておく必要があるのではないかと思う。
 もちろん、そんな足手まといとなる生徒を断る学校の姿勢を支持する、という受験生や親もいるのかも知れない。しかし、大学でも教育の質が問われるようになっているように、高校も単なる受験成績ではなく、教育の質を問題とする受験生や親が増えることが、日本の教育をよくするために必要なことだろう。

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