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zoom RSS 「専門大学」「職業大学」などの創設?

<<   作成日時 : 2009/06/23 21:46   >>

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 6月23日の朝日新聞に、中央教育審議会が、職業教育に絞った「新しい大学」を創設する方針を打ち出したと報じられている。文部科学省のホームページの中央教育審議会の情報開示では、掲載されていないから、メディアへの情報提供の段階なのだろう。

 「教養や研究を重視する今の大学・短大とは別の高等教育機関(新学校種)。実務の知識や経験、資格を持つ教員が職業に直結する教育を担う。実現すれば、高校卒業後の学校制度が大幅に変わることになる。
 これまでの議論では、新大学の名称は「専門大学」「職業大学」などが考えられている。報告案によると、新たな教育課程は、実験や実習など仕事に直結する授業に重点を置き、割合として4〜5割を例示している。このほか関連する企業での一定期間のインターンシップを義務づけ、教育課程の編成でも企業などと連携する。修業年限を2〜3年または4年以上を考えている。
 中教審での議論は、就職しても早期に仕事をやめる若者が増えていることや、かつてと仕事内容や雇用構造が大きく変わったことから始まった。この過程で、一般(教養)教育や研究に多くの時間を割く、これまでの大学と目的が異なる新たな高等教育機関の設立が具体化してきた。
 今後の議論を踏まえて方針が了承されると、文科省が制度設計の作業に入る。設置基準などの仕組みができれば、新大学への移行を希望する専修学校(専門課程)などが集まるとみられる。 」(朝日2009.6.23)

 ところで、今の大学は「教養や研究を重視する大学や短大」なのだそうだが、実情とはかなりずれていると思う人は、私だけではないだろう。念のために中教審の委員のメンバーを見ると、確かに、大学人はそういう「研究重視」の大学からでているし、短大の人はいないようだ。しかし、実際の今の大学は、「教養」はほとんど重視されておらず、大学設置基準が、教養の必要枠組みを撤廃して以降、教養はどんどん削られていることは、大学関係者なら大抵の人は知っているはずである。私が学生だったときには、前半2年は教養課程だったわけだが、今の大学は、おそらく一年生から専門が入り、教養の単位は極めてわずかしか必修になっていないはずである。
 そして、学生はなんとか資格を多くとろうとし、将来の職業に役立てようとするのである。そういう意味では、現在の多数派の大学は、「専門大学」であり、「職業大学」である。もともと、大学に行くのは、将来の職業のためであろう。
 そして、少なからぬ大学が、インターンシップなどは既に導入しているのではなかろうか。もちろん、それはカリキュラムの中の柱とはなっていないだろうし、また、単位認定がされている場合は更に少ないかも知れない。
 しかし、その方向が望ましいなら、いくらでも単位化したり、インターンシップを拡大することは、現在の制度で可能である。

 文部科学省は、大学における法制度上の必修枠組みをできるだけなくし、大学の自由な枠組み設定を可能にする緩和をしてきた。にもかかわらず、このような実験・実習やインターンシップを重視する(4〜5割)大学を作ろうとしているのか。
 そもそも、実験、実習、インターンシップといっても、大学や学校側だけの努力でできるものではない。実際、教育実習は、年々窮屈になっているし、私の職場でも、実習がたくさんあるので、教員の負担は極めて大きなものになっている。

 おそらく、文部科学省の狙いは、「実務経験をもつ教員」というところだろう。今までも、特別免許状や臨時免許状などで、企業社会の人を教育現場に受け入れる受け皿を提供してきたし、また、何種類かの専門大学院でも同じ措置をとっている。もちろん、理論と実践の結合という、よい意味での協力関係が機能すれば、双方にとって好ましいが、その協力関係は簡単にうまく機能するわけではない。
 だいたい、「現場」は優秀な現役の人材を送り込むだろうか。現在のような受け皿が少ない段階ですら、実は、現役の優秀な人材も少なくないが、現役は過去という、実務から離れてしまった現場の人が大学に入ってくる例も少なくないし、そうした人びとが、ホットな現在の要請に応える教育が可能かというと、肯定できないような事例も多々あるのである。

 この間の文部科学省の動向をみると、法科大学院や教職大学院など、うまくいっていないという認識を文部科学省がもっているにもかかわらず、何故、このようなやり方をとろうとしているのか。あるいは、諮問内容にはないようなので、委員の議論から出てきただけのことなのか。
 注意をもってみていく必要があるようだ。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
初めまして!
遊びに来ました!
これからヨロシクお願いしま〜す<m(__)m>
ややちゃん
2009/06/23 22:09
専修学校を大学のような正式な学校、つまり、1条校にすべきという主張は以前からされてきましたが、専門学校が大学にちかい地位をめざすことは、設置基準の緩さゆえの自由さ、気楽さを否定するようで感心できませんね。

大学は設置基準が厳格できちんとした入学試験をかすからこそ権威があるのであり、だからこそ、大学生は就職で優遇されるのだとおもいます。大学・大学生にちかい地位をめざすことは「十字架」をせおうことも意味するはずです。

未曾有の就職難、少子化による大学入試の易化による大学・大学生のレベル低下を是正する方が先決でしょう。
Piichan
2009/06/25 16:07
専門学校をやめて職業や専門大学にしたらいいな。
理由は、もっと学士と専門職になるからな。
はい
2009/09/23 20:23

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