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zoom RSS メディア芸術総合センターについて

<<   作成日時 : 2009/07/26 22:25   >>

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 「国立マンガ喫茶」と民主党に揶揄された「メディア芸術総合センター」の問題を少し考えてみた。マンガ好きの麻生首相になって急に注目され、補正予算の中に入ったわけだが、里中満智子のブログによると、以前から要望を出してきたという。

 「今回たまたま補正予算の枠内で具体化された構想ですがメディア文化発信の拠点の必要性については、もう何年も前から望んで来た事です。」http://satonaka-machiko.seesaa.net/article/120006495.html

 ところで、麻生首相は、この点について

 「 首相は「若者が持っているコンテンツは、アニメーション、CD、写真、コミックなどたくさんある。(だが、コンテンツが)いくら金を稼ぎ出しているか、わかっていない人が多い。ハリウッドが映画のメッカなら、秋葉原をコンテンツのメッカにすればいい」と訴えた。さらに「そういう援助をわれわれがしようとしたら『国営マンガ喫茶』にすると民主党や新聞は言った。その人たちの想像力はこの程度かと残念に思ったが、ハリウッドがスタートしたときもそうだった」と述べた。」産経新聞2009.7.25

と述べたそうだ。

 「マンガ喫茶」だからいけないとは思わないが、むしろ「文化」に対して、基本的な感覚について、疑問を感じるのである。基本的に文化は自立的なものではなかろうか。特に、いわゆる大衆文化は権力から自由なところで活動するところに、その活力があり、時には権力に対抗することが、質的バネになることも、歴史が示すところだろう。

 大阪の橋下知事が、文化補助を削減する政策を発表したときに、オーケストラの補助金を削減することを理由づけたとき、ポピュラー音楽は補助金などなしにやっていけている、と語ったことがある。これは、半分正しく、半分間違った認識だ。
 ポピュラー音楽は補助金なしにやっているのは、そうだし、人気商売だから、補助などそもそもあてにしていないだろう。人気が落ちたから、公的補助がほしいなどと、そもそも考えないに違いない。それが、誇りでもあるはずだ。しかし、文化には公的補助が必要な分野もある。価値は高いし、また保存価値もあるが、人気のすそ野が狭い分野である。オーケストラはまさしくそれに当たる。だから、国際的にみても、オーケストラには、公的補助が出されていることが普通だ。アメリカのような寄付中心社会でも、そうした寄付に税金の優遇措置を設けることで、事実上の公的補助をしている。オーケストラ文化は、大衆的な人気は低くても、目に見えないところで、いろいろな貢献をしている。そもそも音楽の基礎となっているということだけではなく、ドラマや映画のBGMはオーケストラが受け持っており、補助金がなくなって、こうした音楽機能が失われれば、ドラマや映画はかなり表現力が低下するはずである。
 日本では、雅楽などもこうした補助の必要性がある分野であろう。

 では、マンガやアニメはどうなのだろうか。これは、明らかに、公的補助の必要のない、あるいはないからこそ自由に発展できる分野なのではなかろうか。有名な漫画家の里中氏が、こうした公費によって設立される「博物館」的なものを求めるとしたら、すでに、マンガの世界も、自由な展開を志向する活力が失せてきているのだろうか、と疑念が生じてしまう。

 麻生首相は、ハリウッドを持ち出して、メディア芸術総合センターを擁護しているが、ハリウッドは公的補助で発展したわけではあるまい。むしろ、マッカーシー旋風を見ればわかるように、権力とは緊張関係があって、発展したのではないだろうか。ハリウッドが飼い馴らされたと思われる時期もあるが、それはハリウッド映画が低迷した時期と重なっているように思われる。

 補助金というのは、多くの場合、「拘束」を伴うものだ。文化は、権力の拘束をもっとも嫌うものでなければならない。文化庁が中心となって設立するとしたら、文化庁の天下り先を付け加えることになるだろう。運営を民間に任せるといっても、それは同じことである。漫画家自身の中にこうした国家組織を望む人びとがいるということに、驚きと失望を感じてしまうのだが。完全に自立的であることが可能な大衆文化が、国家の庇護を受けるようになったら、それは本来のエネルギーを長い目で喪失していくことが危惧されるのではないだろうか。


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