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zoom RSS 「二大政党」「国民政党」は民主主義的か

<<   作成日時 : 2009/08/31 23:07   >>

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 総選挙が終わり、政権交代することになった。政権交代は、民主主義にとって大きな意味をもつから、けっこうなことだと思うが、前回及び今回、得票率に対する議席獲得率という点で、やはり、問題を感じないわけにはいかない。今回民主党の得票率は、47.4%、自民党は、38.7%。それに対して、議席獲得率は、民主党73.7%、自民党21.3%だった。前回の小泉選挙では、この傾向が逆だったわけだ。特に、前回は、郵政民営化が明確な争点であったわけだが、民営化賛成派議員の得票率より、反対派議員の得票率の方が多かったにもかかわらず、賛成派が議席獲得においては圧勝したわけだ。

 これは、周知のことであるが、小選挙区制度は死票が多く、民意が誇張されて議席数に反映するということに合致しているわけである。政権党の失策が、政権交代に結びつくという点ではいいが、やはり、こうした得票が正確に議席に反映されない制度は、民主主義的な制度とはいえないということが、忘れられてはいけないだろう。

 選挙中、そして後に、様々な人が、「健全な二大政党制」とか、「健全な国民政党」などという言葉を語っていたが、私には、極めて疑問だ。小選挙区制度に基づく、二大政党政治が行われているのは、アメリカとイギリス(イギリスは正確には、二大政党とは言い難い面がある。)であるが、アメリカとイギリスは、前にも書いたように、民主主義の手本となる国家ではなく、民主主義度の低い国として、国際的な研究機関によって評価されている。民主主義的政治の度合いを研究している機関は、いくつかあり、毎年報告書を出しているが、いずれも、アメリカ・イギリスは上位ではない。若い頃は民主主義的であったが、年取って堕落した老人みたいな存在なのだ。そして、その民主主義評価によって上位になっている国で、小選挙区制度による二大政党政治が行われている国は、私が知る限りは存在しない。

 二大政党と国民政党は、おそらくペアのような関係であろうが、そもそも政党とは何か、という問題に関わるし、また、その答えはひとつにはなりえないとも思うが、政党は、ある社会的利益を政治の場で実現するための組織であると、とりあえず考えることができる。この場合、国民政党という主張は、全国民に開かれており、全国民の利益を代表しているという意味になるのだろうが、そもそも、全国民に共通の利益というのは、極めて少ないのであり、通常の生活形態の中では、国民の中に、利害を共通にしない社会集団が複数存在するのが普通である。経営者と労働者は、利害が共通だとは言い切れないし、生産者と消費者、輸出産業界と輸入産業界、富裕層と貧困層、等々、さまざまな利害不一致集団があるわけだ。国民政党の考えというのは、こうした対立的利害を、党内で調整するという、あるいは党内調整の方がいいという考えであろう。

 しかし、それは国民政党を自負する自民党の実態であろうか。私が見るところ、自民党は、決して労働者の利益と経営者の利益を「調整」しているとは思えないし、富裕層と貧困層の調整をしているようにも思えない。もちろん、あまりに露骨に一方に肩入れしていたら、国民に支持されないから、調整をある程度は試みるとしても、自民党が経営者や富裕層の利害を代表して政治を行っていることは、明らかだろう。小泉改革は、「調整をしているように見せる」ことすら放棄してしまったから、国民の手ひどいしっぺ返しを今回食らったのだろう。

 調整は、決して「党内」で行うのが唯一でもないし、またベストでもない。基本的利害集団が別々の政党をつくり、政党間の調整で政治を行うというシステムもあるし、また、それを実践している国もある。むしろ、今ではその方が民主主義的な度合いが強い。この場合、もちろん、それぞれの利害集団ができるだけ、適正に政党の割合に反映される選挙システムであることが必要だ。それはもちろん比例代表制である。

 前にも書いたが、学校の教科書を見ると、比例代表制は死票は減るが、小党分裂で政治が不安定になるなどと書いてあることがある。しかし、それは実態とは異なる。民主主義の度合いが高い国は、比例代表制をとっていることが多く、しかも政治的混乱は起きていない。そもそも政治的混乱状態で、民主主義の度合いが高くなるはずがない。

 メディアに出て来る人たちは、いいかげん、「昔の名前」で物をいうのは止めるべきだろう。国民の声が、正確に反映される選挙システムに変えていくべきだ。

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