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zoom RSS 全国学力テスト開示問題(3)

<<   作成日時 : 2009/08/19 22:38   >>

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 全国学力テストの非常に詳細なデータは、国立教育政策研究所から公開され、ホームページにも掲載されている。ひとつひとつの問題のねらいと、それぞれの選択肢(あるいは記述例)の数・割合と誤答などの分析が、詳細に書かれているのである。もし、テストの結果を踏まえて、次の指導に役立てるというなら、この国立教育政策研究所のデータの活用がもっとも有効であろう。
 結局、市町村とか、学校単位での成績開示となると、正答率であり、それは結局、順位の比較をするための「開示請求」ということになるのだろう。順位を知ることが、役にたつ、という認識である。しかし、これは、実際の指導上はほぼ無意味なデータに過ぎないということは、相対評価の問題を通して、明らかであろう。
 学校の成績は、戦後かなり長い間、相対評価が主体だった。それは、戦後教育の競争的性格、つまり、入学試験によって、少なからぬ生徒が進学を拒否されるという、現実の進学競争とよくマッチしていたから、自分の位置を知ることができる相対評価が、主流の評価形式だったのである。しかし、これは、「頑張れ」という以上の指導指針とはならず、具体的に何を勉強したらよいのか、どのように学んだらいいのかを示すものではないから、結局、受験圧力がなくなって、その無意味さが明瞭となり、絶対評価へと文部科学省も移さざるをえなかった。現在ほとんどの学校で行われている絶対評価が、具体的指導の指針として、どれだけ役に立つものであるかは、かなり疑問であるが、相対評価よりは、役にたつものだろう。
 そのように考えると、学校外部からの開示請求は、何の為のものか、という疑問を持たざるをえないのである。

 さて、日本のようには競争的でないオランダの教育において、日本よりずっと継続的に、全国学力テストが行われ、そして、成績開示もかなりの程度で行われている。CITOテストと言われるものである。文部省の外局のような存在と民間という位置づけが、CITO実施主体の性格が何度か変わっているが、今は、民間機関となっている。
 最初小学校の最終学年に導入され、中学への進学材料として使われていたが、今では、各学年に拡大し、回数も増えている。そして、今では、学校、学級、個人単位の成績分析が、それぞれの該当者(学校単位なら校長、学級単位なら担任、個人は個人)に対して、開示される。インターネットにアクセスしてみるようになっている。これは、単なる相対的位置を示すものではなく、具体的な成績の分析である。そして、学校単位での平均点は、ほとんどが、学校のホームページに掲載されている。オランダは完全な学校選択制度が実施されているので、全学校がホームページをもち、そこに詳細な学校の情報が掲載されており、CITOテストのそのひとつとなっている。これは、実際に親や子どもが、学校を選択する際の重要な資料となる。

 そういう意味では、日本よりずっと詳細なデータの開示がなされているわけだが、CITOが民間機関であることでわかるように、参加は義務ではないし、また、学校単位での参加となる。実際に参加しない学校もあるようだし、回数や参加学年については、かなりばらつきがある。(小学校の最終学年は、中等学校への進学振り分けのデータとなるので、ほとんど参加する。)つまり、実際の教育現場である、学校の意思で参加するかしないかを決めることができるということは、そのデータの意味、活用の方法も異なってくるのである。日本でも、参加決定を、もっと現場に近いところにすることが必要であるように思う。

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