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zoom RSS 岡田外相の「日中韓共同歴史教科書」構想

<<   作成日時 : 2009/10/12 22:46   >>

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 10月7日の産経新聞(インターネット版)に、岡田外相の日本外国特派員協会での講演が紹介されており、産経新聞としては、珍しくクールな紹介になっているし、内容も興味深かった。
 要点は、歴史教育については、将来的には日中韓の協働政策の教科書を作成するのが理想ということだ。そして、教科書検定制度に疑問を投げかけたという。
 疑問の内容については紹介されていないが、かつての家永教科書訴訟の時代から、教科書をめぐる問題状況は大きく変化している。家永教科書訴訟の継続版もあるが、他方、新しい歴史教科書をつくる会に関わる検定問題も生じている。どちらの陣営も、歴史教育の内容で対立して、重要な土台となっている教科書検定制度については、口をつぐむ状況になっているように思われる。そして、歴史教育の内容に関する「政治的争い」がことあるごとに再生されることになっている。単に教科書だけではなく、例えば、先日の「日本の台湾統治」に関するNHKの番組を巡ることも、その一例である。このような対立の中で、どちらの教科書を採用するか、という争いを続けることは、不毛なだけだろう。教科書というものの「位置づけ」そのものを考えなおすべきであろう。

 日本の教育は、「教科書を教える」という性質が昔から強く、今でもそうだが、欧米では、特に歴史教育においては、ずいぶん異なるスタイルの教育もかなり広く行われている。つまり、特定の教科書などは指定せず、概説書的な歴史書(その中には教科書として作成されたものも含まれるが)を、学校にいくつも用意しておいて、それを適宜参照するやり方である。本によって書かれている内容が異なるから、多様な考えに触れながら、思考力を訓練する機会にもなっている。また、図書館などにいって調べることなども重視される。
 ヨーロッパは水曜日の午後の授業がないのが普通なので、市の図書館で調べ物をする小学生が少なくない。日本で、小学生が市立や県立の図書館で学校の調べ物を、平日に行っている姿は、ほとんどみかけない。日本の図書館では、中高生の受験勉強がほとんどだ。

 そのようなスタイルだからこそ、EUで12カ国時代に共通の歴史教科書が作成されたのにも抵抗感がないのだろう。日本でも翻訳が出ているが、あれも、日本の教科書のような使われかたよりは、おそらく「教科書のひとつ」として参照されるスタイルではなかろうか。

 日本でも、現在のようなチャチな歴史教科書ではなく、しっかりと豊富な内容をもって作られた教科書を、個人がもつのではなく、学校に用意しておき、様々な立場で書かれた教科書を比較参照しながら学ぶ歴史教育に転換していくべきである。そういう中で、日中韓共同作成教科書も、生きてくるだろう。

 歴史は愛国心涵養の手段だ、などという歴史教育からは脱却する必要がある。本当に自信のある人なら、様々な立場の歴史を学ばせることに賛成するはずである。なぜなら、結局自分の立場が正しいと分かるだろうと確信できるから。自信がない人は、他のことを学ばさせることに不安なのだろうが。


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