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zoom RSS 大学での「所業指導」義務化?文部科学省の政策は真の問題を逸らすものだ。

<<   作成日時 : 2010/02/25 21:28   >>

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 2月24日朝日新聞(インターネット版)に「学生の職業指導、大学・短大に義務化へ 文科省」と題する記事が掲載されている。大学や短大の教育家庭に職業指導を盛り込むことを「義務化」(2011年から)ずくという。詳細はわからないが、端的にいって疑問である。

 「義務化の背景には、厳しい雇用状況や、職業や仕事の内容が大きく変化するなかで、大学側の教育や学生支援が不十分という指摘がある。さらに新卒就職者の3割が3年以内に離職するなど、定着率の悪さも問題になっていた。このため、大学教育のあり方を議論していた中央教育審議会(文科相の諮問機関)でも、学生支援の充実や、職業指導を明確化する方向性を打ち出していた。」

ということらしいが、これは問題を歪めていないだろうか。記事も紹介しているように、既に大学で74%、短大は72%が職業意識を育てる授業を設置しており、就職セミナーやガイダンスを実施している大学は92%、短大で96%であるという。もちろん、私の大学も両方ともやっているし、むしろ過剰なほどにやっているというべきだろう。各学年毎に何度も、企業、公務員、進学、教師用のガイダンスをやり、また、試験対策を放課後に行っているし、また、職業意識のための授業を、通常2種類学生たちは履修している。

 経済界というのは、いつでも自分たちを棚にあげて、教育機関に責任をおしつけている。 「厳しい雇用状況」というのは、経済の問題であって、決して大学の責任ではない。こういう中で、学生たちは大学の授業をないがしろにして就職活動をしているのが、実態である。企業の青田買い的やり方が大きく大学の授業を阻害しており、それこそ指導を不十分にさせている大きな原因のひとつなのである。3年生の秋になると、企業就職をめざしている学生は、頻繁に「就職活動のために授業を欠席します」という通知をもってくるのが実情である。

 企業側から大学教育の質的向上を促進させようとしたら、採用に際して、大学における成績を考慮すること、そして、その際に成績がきちんとつけられているかをチェックするような方式を、企業側が採用していることを示すことである。現在採用において、大学の成績を判断材料にすることは、極めて稀である。ほとんどないといってもよいだろう。財界や文部科学省はアメリカの大学政策を引き合いに出すことが多いが、欧米では採用時に大学の成績を考慮することは、ほぼ常識といってよいだろう。大学で何を勉強し、きちんとした評価を得たか、これを採用時に考慮すれば、学生たちは大学の授業をより真剣に受けるし、教師側ももっと学生の能力を高める工夫をするようになるだろう。

 大学を偏差値で判断し、実際の獲得能力を無視している限り、学生が大学の授業に真剣にならないことは自然な流れなのである。これまではお互いに「無責任」な状況でやってきた面があるが、それで済まないことは自明であろう。しかし、おそらく大学は危機意識をもって、この問題には取り組んでいる。私自身をみても、正規の授業以外に、就職のための力つけさせるたの指導を週数時間行っている。もちろん、その成果は出ているが、こうした状況を考えると、文部科学省の政策は、現実追随に過ぎないし、真の問題に切り込んでいるとは言い難い。

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