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zoom RSS DVに対する警察の対応

<<   作成日時 : 2010/09/21 01:33   >>

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 産経新聞の報道によると、DVによる殺害事件があとを絶たないのだそうだ。そして、被害者が事前に相談に訪れるにもかかわらず、警告等の法律によって警察に与えられている防止策をとること、あるいは被害届けを出すことなどを、相談している被害者が望まないために、警察が有効な措置をとれないことが多いと、産経新聞は書いている。

 そして9月20日にそうした事件が起きた。最も詳しく報道している産経によると次のようになる。

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神奈川県警高津署は20日、川崎市内で同居する女性を殺害したとして殺人の疑いで、職業不詳、松本直也容疑者(22)を逮捕した。
 高津署によると、女性は15日未明に同署を訪れ「(松本容疑者から)ドメスティックバイオレンスを受けている。貸した金も返してくれない」と相談。一緒に来た松本容疑者が「暴力はしない。借金も返す」との上申書を提出し、女性が暴行をめぐり被害届も出さなかったため帰宅させた。
 逮捕容疑は17日から20日午前までの間、川崎市高津区北見方2の17の8、東京都世田谷区非常勤職員和田裕子さん(29)方で和田さんの首を絞め、殺害した疑い。
 松本容疑者は「仕事をしないでぶらぶらしているとなじられ、カッとなって殺した」と供述している。20日午前11時25分ごろ「和田さんを殺した」と自ら110番した。
 2人は今年4月から和田さんの娘(4)と3人で生活。娘は17日から都内の和田さんの実家にいた。和田さんが高津署に相談に訪れたのは15日が初めてだった。
 千葉明副署長は「事件が起きたことは遺憾だが、対応は適切だったと思う」と話している。産経2010.9.20
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 しかし、他の新聞は多少違うように伝えている部分がある。まず読売。

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 同署幹部によると、和田さんは15日に同署を訪れ、松本容疑者について、「借りた金を返さなかったり、頭をたたいたりする」と相談していた。同署は、松本容疑者を呼び「今後一切手を出さない」などとする上申書を提出させていた。調べに対し「家で寝ていたら文句を言われたので、かっとなってやった」などと供述しているという。
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 そして朝日。

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同署によると和田さんは松本容疑者と4月から同居していた。今月15日、同署に「(松本容疑者が)借金を返してくれない。暴力もふるわれた」と相談。同署は松本容疑者を呼んで注意し、暴力をふるわないことなどを約束する上申書を出させた。被害届を出すか尋ねると、和田さんは断ったという。
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 最も異なるのは、被害者が相談に来たときに、産経は容疑者が一緒に来たと書いており、読売と朝日は、あとで警察が呼んだことになっている。しかし、あとで呼んだときに、被害者と容疑者が一緒になったかどうかは、書かれていない。産経の場合は、警察でも一緒だったのだろう。

 産経のみ、警察のコメントが紹介されており、「対応は適切だった」と述べたとされている。産経の記事では、二人は一緒に相談にきて、警察に被害者は暴力をを訴えたが、容疑者が「暴力はしない」と上申書を書き、被害者も被害届を出すことを断ったとので、警察としては対応できなかった、ということなのであろう。

 しかし、読売と朝日が正しいとすると、警察の対応に大きな疑問が生じる。正確に書かれているわけではないので、間違っているかも知れないが、ふたつの記事を読むと、「被害者が相談に来た、そこで警察は容疑者を呼んで話をしたところ、もうしないと上申書を書き、被害者は被害届を出すことを断った。」ということになり、容疑者を呼んで話したときに、二人が同席した可能性が高い。少なくとも、容疑者を呼んだことを被害者に知らせているはずである。

 疑問は、まず、被害相談が来たときに、すぐに相手を呼び出すだろうかという点である。おそらく、こういう相談があったと説明して呼んだのだろうし、だから上申書なるものを素直に書くのだろう。しかし、そんなことをしたら、あとで暴力を振るっている男が、被害者を詰問し、さらに暴力をエスカレートさせることは、十分に予想されることではないか。こうした相談があったら、被害者に、暴力を振るわれやすい対応をしないように教え、秘密に捜査すべきものではないだろうか。15日に初めて相談に訪れ、20日に殺害されているということは、この間容疑者の方が、警察に通報されたことで腹をたて、ますます両者が険悪になった可能性が大きいと考えざるをえない。

 また、呼び出して、同席させたのだとしたら、被害届を出すはずがないと考えられる。もっとも、事実上の家族なわけだから、被害届を出さないという例が多いだろうし、そもそも難しいのだとしても、まったくとりあえずは秘密に捜査をすること、被害届を出すことが、相手に対する抑止力になること、など、きちんと説得するということはないのだろうか。まして、相手が同席していないまでも、すでに呼ばれている状況で、被害届を出すように求めるというのは、いかにも安直にすぎる。

 暴行は親告罪ではないにもかかわらず、被害届けがないと捜査の対象にしないのは、公判が維持できないという配慮だという説明があるが、公判維持は検察の役割で、警察は犯罪の予防と起きてしまった犯罪の解決が役割であるのだから、被害届がなくても、暴行の事実が明らかなときには、必要な捜査や対応をする責任があるのではなかろうか。「対応が適切だった」とは思えないのである。


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