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zoom RSS 追手門学院大学の留学生自殺について、まだ不明の点が多い

<<   作成日時 : 2010/10/29 11:56   >>

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 いじめによる自殺は、決して日本だけの現象ではないが、日本では「教育の体質」が関係していると見られる面があり、やはり大きな教育上の問題であろう。そして、最近またいじめによく自殺がニュースで取り上げられることが多くなっているような気がする。
 文部科学省がいじめの定義を、客観主義から主観主義へと変更し、学校現場に対応をきちんととるように指導して、統計的にはいじめが減ったとされているが、そんなに簡単にいじめがなくなるわけではない。
 
 ところで、いくつか気になる事例のひとつとして、追手門学院大学で、インド人留学生が昨年「いじめが耐えられない」という遺書を残して飛び下り自殺し、更に病気であった父親が今年後追い自殺したということ、そして、遺族が調査を依頼したにもかかわらず、大学側がそれを隠蔽していると報じられている事件がある。
 事実であれば、とんでもない事件だと思うが、報道が産経新聞程度で、他のメディアはあまり報道しておらず、産経新聞の報道についても、肝心のところが分からないのである。
 疑問を整理すると、
1 大学でもいじめらあると思うが、自殺に至るような酷いいじめが継続するということは、通常は考えられない。いろいろなブログなどを読んでも、その点は多くの人が共通認識をもっているようだ。大学生というのは、基本的に、自ら選んだごく親しい人以外とは、ほとんどつきあわないという生活をしており、クラスがあったとしても、その人間関係は希薄なのが普通である。そこがあまり居心地がよくなければ、全く出てこない学生はいくらでもいる、というより、それが普通である。出てこないと、気まずくなるというのは、演習のような少人数で、かなり拘束性の高い授業の場合だけだろう。
 報道ではどのようないじめがあったのか、私の知る限りでは書かれていないので、やはり留学生という立場からくる、大学文化に対する感覚の違いがあったのかも知れないという可能性は拭いきれない。

2 大学側がずいぶん追求されているようだが、報道によると、成績優秀者に与える奨学金をこの学生は受けることが決まっていたという。どのような選抜があるのかわからないが、通常は大学の授業にしっかりと出て、かなり良い成績をとらなければ、成績優秀者に与えられる奨学金をとることはできないだろうから、授業なども積極的に参加して、模範的な学生と、大学は解釈していたはずである。それが突然いじめによる自殺と聞かされたら、?と思うことは不自然ではない。ただ、調査等を求められれば、やはり、誠実に調査すべきで、本当に隠蔽工作をしたのなら、非難されても仕方ないだろう。

3 一番理解しにくいのは、ゼミ担当教授という人の行動である。ゼミ担当教授は、いじめが確かにあったと認識して、大学側にちゃんと調査するように強く求めていたらしい。しかし、大学側がその教授を窓口から外したということになっており、そのことも大学側が非難されるひとつの理由になっている。
 ところで、ゼミ担当教授というのは、いわば担任のようなもので、大学では、担当学生と親しく接することが当然とされる唯一の立場である。通常講義などに出席している学生を、名前と顔が一致する形で記憶することは、大学ではほとんどないといってよい。しかし、ゼミの場合だけは異なる。教師は学生をきちんと把握し、それぞれの研究課題を指導しているわけだ。
 講義などでいじめがあるということは、あまり考えられないのだが、たとえあったとしても、自殺するほど深刻に考えることは、考えにくい。自殺する原因となったいじめがあったのだとしたら、それはゼミにおいてであると考えるのが、最も自然であろう。とすると、このゼミ担当教授は、何をしていたのだろうか。確かに報道によれば、いじめがあったと認識していたらしい。そうならば、いじめをなくすような指導を、いくら大学とはいえ、ゼミなのだから、当然しなければならない。防げなかったとしてもそれは相手のあることだから、批判できないかも知れないが、しかし、自分の責任を棚にあげて、大学側を批判するというのは、何か腑に落ちないものがある。

 私は関東でしか生活したことがないので、この大学のことは全く知らないが、ホームページによると、人権のための活動は、大学として活発におこなっているようだ。
 いろいろと背景について考えたくなるが、それはここでは省略する。

 大学は、いじめによる自殺は滅多にないが、どこの大学でも、学生の自殺は少なくないし、教員としては、いつもそのようなことがないように、努力をしている。ほとんどは鬱病等の疾患が原因であることが多いから、防ぐといっても限界があるのだが、できるだけ教員と学生の距離を近くできるような工夫をしている。少なくとも私の勤務する大学ではそうだと思う。

 報道が正しいとしたら、この大学の責任はいろいろあると思うが、私自身は、報道がどこまで正確に事実を伝えているか、疑問があるので、メディアにはもう少し丁寧な調査と報道を期待したい。

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