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zoom RSS 「政局」の対立軸

<<   作成日時 : 2011/08/09 12:52   >>

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 政治の世界というのは、一般市民にはなかなかわからない。特に「政局」といわれる事態を理解するのは難しい。メディアの報道はほとんど実態と離れていると考えられるからだ。そもそも、メディアは「政局」なる状況が大好きだし、しかも、実際に争われていることを隠したまま、単なる人的争いごととして、政局を煽る報道をする。
 民主党政権は、成立したあと、ほとんどの時期で、この「政局」なる報道によって、混乱した印象を与えられてきた。もちろん、民主党政権は、初めての政治運営だったから、まずいやり方が多く見られたし、また、そのために政治がぎくしゃくしたことも事実だ。しかし、現在、菅内閣をめぐる「政局」は、その意味が、我々一般市民にもだんだん見えてきたように思われる。

 菅直人という政治家が、それほど優れた人物ではないと思うし、また、地震発生後見せた動揺は、かなり否定的な評価を免れないが、しかし、だからといって、あの難局で、万事うまく対応できた政治家がいたとも思えない。特に、原発事故については、自民党政権時代のいいかげんな原子力行政こそに、最も重大な要因があるのだから、自民党政権だったら、もっと悲惨な状況になっただろう。

 菅直人の「市民運動家」的側面が、メディアの、特に産経新聞のような反菅の急先鋒には、揶揄的に指摘されているが、現在の菅対反菅(菅降ろし)派の対決軸は、まさしく、この菅の市民運動家的側面に焦点があると見える。

 菅首相が無能で、菅の下では復興が進まないというのは、ある面では正しいのかも知れないが、少なくともそう批判する政治家が中心となれば、復興がずっと進むようには、全く思われないのが、自民党の支持率などが低迷している理由だろう。今選挙をやれば、自民が圧勝するというのは、あまりに彼らにとって楽観的な見方ではないだろうか。実際に、菅降ろしに奔走しているように報道されている政治家たちは、復興に関わる活動が、ほとんど報道されることがない。むしろ様々な点で、システムの中で復興が進んでいるように見え、その点では、菅首相の方がずっと「一生懸命」やっているように見える。

 にもかかわらず、復興に協力しながらも、菅降ろしを進めるというのではなく、復興などそっちのけで、菅降ろしに狂奔している政治家が多いように見えるのは、実は、対立軸が原発をめぐる政策に収斂しつつあるからであるように見える。原発推進派は、むしろ、失点を重ねているにもかかわらず、菅降ろしを止めないのは、菅の下では、脱原発依存が本当に進展してしまうと恐れているからなのだろう。

 それが最もよく垣間見ることができたのは、九州電力の玄海原発の事例だ。首相との合意だったというが、とにかく海江田大臣が、九州にまで出向き、まだ消極的であった知事等を説得し、再開にこぎ着けようとした。そして、市長が合意し、知事の合意寸前であったように報道されているが、その直前に、菅首相が、まだ不十分だとして、ストレステストの実施を条件としたわけだ。そして、海江田の面目丸潰れということだったのだが、実はその後、九州電力のやらせ問題が発覚したのは、記憶に新しいところだ。もし、知事合意で、再開決定後に、やらせ問題が発覚したら、どうなったのだろう。完全に政治不信が頂点に達して、海江田の責任問題となったと考えられる。つまり、その時点で、海江田はとんまな大臣として葬り去られた可能性すらある。むしろ報道のような、菅に裏切られた海江田というよりは、菅に救われた側面が、私には大きく見える。

 最も原発推進派メディアである産経新聞は、8月6日に、原爆関連の記事を一切書かなかったようだが、菅の脱原発依存政策は、「おもいつき」に過ぎないと書き続けている。現在の国民の意識からみて、正面から脱原発依存を批判できないと見たため、「いいかげんなものだ」という批判手法をとっている。語るに落ちた姿勢というべきだろう。
 
 こうした点で見えてくることは、やはり、政局が、原発推進派と脱原発依存派の争いだという点である。しかし、だからといって、菅が脱原発依存的志向の強い「国民」の支持を受けて、地位を継続できるかは、私は疑問だ。残念ながら。これまで、菅が政権を維持できたのは、アメリカへの同調政策を明確にしてきたからだ。前内閣の東アジア重視から、軽視への転換、TPP推進等々。しかし、原発事故後、脱原発政策が、アメリカの対日政策との整合性をもてるかどうか、菅内閣にとっては、まだ手さぐりの状況なのではないだろうか。

 私は、民主党支持でもないし、また、菅直人を支持しているわけではないが、虚心にみて、今最も日本の政治課題に真剣に取り組んでいるのは、菅首相だとしか見えない。自民党の人たちは、本当に、何も決断できない谷垣が総理大臣にふさわしいと思っているのだろうか。

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