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zoom RSS 朝鮮学校の生徒が授業料補助問題で提訴の準備?

<<   作成日時 : 2011/08/28 22:22   >>

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 高校授業料無償化をめぐって、適応されないまま放置されている朝鮮学校の生徒が、損害賠償訴訟を起こす方針を明らかにしたという記事がいくつかの新聞に掲載されており、ブログでもいくつか取り上げられている。記事は以下のようなものだ。

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 高校授業料の実質無償化を巡り、北朝鮮による韓国砲撃に伴い政府が朝鮮学校への適用への審査手続きを停止していることに対し、東京朝鮮中高級学校(東京都北区)の高校2〜3年にあたる生徒約20人が、精神的苦痛を受けたとして、9月上旬にも国家賠償請求訴訟を東京地裁に起こす方針であることを25日、弁護士ら支援団体が明らかにした。
 愛知朝鮮中高級学校の生徒ら計12人も名古屋地裁に同様の訴えを起こすほか大阪、神奈川などでも続く見通し。
 支援団体の長谷川和男事務局長は都内で行われた記者会見で「手続きを止めた菅首相が在任中に決断しなければ、提訴する」と述べた。。
 朝鮮学校の無償化を巡って、文部科学省は昨年11月、朝鮮学校も対象に適否を審査する基準を発表。全国10校からの申請を受理したが、審査開始直前に韓国への砲撃が発生し、菅首相の指示で審査手続きは停止されたままになっている。(読売2011.8.25)
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 産経新聞には、かなりの批判的な見解を合わせた記事なのかと思いきや、意外と簡単な紹介記事になっている。
 あるブログでは、法の下の平等という原則から見れば、朝鮮学校だけ除外するのは、違法だということになる。http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/ea90711e96dbbe56de6594f4bff7dd6a

 確かにこの意見は、この限りでは正しいとしかいいようがない。アメリカンスクールやブラジル人学校、韓国学校には適用して、なぜ朝鮮学校だけ適用しないのか、理屈にあわない。
 当初言われた理由は、反日教育をしている、レベルに問題があるというような教育的理由もあったが、やはり、拉致問題、そして、韓国への砲撃問題等の政治的理由でもって、差し止めになっているわけだ。

 文部科学省の説明によれば、この助成は、学校への補助ではなく、あくまでも個人の教育権保障のための措置だというのだから、国家的な問題を持ち出すのは、筋違いだろう。しかも、ブラジル人学校に比較して、朝鮮学校の教育水準が低いなどということは、根拠ないといわざるをえない。もちろん、ブラジル人学校のレベルが低いなどということをいうつもりはない。水準云々などということは理由になっていないということだ。

 では、朝鮮学校へ出すべきなのかといえば、私は前にも何度か書いたが、ノーである。
 そもそも、外国人学校の生徒には適応すべきではないのである。例えば、こういう点はどう解釈されるのか。

 アメリカンスクールには、日本人が少なからず学んでいる。もちろん、日本人といっても、二重国籍でアメリカ国籍をもっている場合もあるだろうが、かなりの部分は、単なる日本人である。
 小中段階のアメリカンスクール就学者は、日本人であれば違法である。彼らは罰金を払って、アメリカンスクールに通学しているのだ。そして、日本政府からの教育的配慮は受けていないと思われる。
 しかし、彼らが義務教育段階を終えて、高校部になると、とたんに授業料を払ってくれるという措置になる。アメリカンスクールの授業料は非常に高いので、通わせている親は、かなり裕福なはずである。しかも、小中時代は、日本の法律を違反していたわけだ。

 こういう事態というのは、合理的な説明が可能なのだろうか。

 民主党の4K政策を、原理的に反対はしないが、少なくとも財政的裏付け等に、かなり甘いものがあったことは、今では否定しようがない。高校授業料無償化に関して、外国人学校も対象にするということは、国際的にも全くやっていないような政策であることは、国会で明らかにされており、十分な検討なしにやったことは否定しようがない。

 朝鮮学校については、当初から政治的反対があった。しかし、産経新聞がキャンペーンをはっていたような、政治的反対は、いくつか必ず崩されざるをえないと、私はブログで書いたのだが、この訴訟は、その最初の現れであろう。本当に訴訟を起こされたら、常識的な理屈としては、他の外国人学校には適用されているのだから、朝鮮学校だけ除外する合理的理由はない。

 もちろん、韓国学校のいくつかのように、一条校としての認可を受け、法的には日本の学校と同等の私立学校として存在しているならば、日本の学校と同じ財政的措置をすべきだろう。朝鮮学校にもそうした道は開かれている。

 しかし、そうではなく、あくまでも民族教育を中心に行う学校として存在するのであれば、それはその民族を支える国家が財政的に責任をもつのが「国際標準」なのである。この法案が審議されているときに、外国の子どもにも同じ扱いをするのが国際標準だなどとメディアで語っていた弁護士がいたが、全くなでたらめである。どのような国家も、通常、自国の制度の学校に通っている外国人は、自国民と平等に扱うが、外国人学校に通っている生徒は、同じ保障をしてはいない。

 それは、財政的保障をしないのではなく、民族教育を保障するためなのである。もし、外国でその国の教育とは異なる民族教育を実施するならば、財政的に自前でやるか、あるいは、そのふたつの国で相互主義で補助を実施するかどちらかだろう。そうでない補助は、積極、民族教育に対する干渉にならざるをえないのだ。朝鮮学校に援助することになれば、国民は必ず、そこで行われている教育について、相当強い見解を述べることになり、新たな争点を生み出すに違いない。
 
 外国人学校については、もっと原則的なことをきちんとしてから、対応すべきである。

 もちろん、だからといって、在日の人たちやブラジル人、ペルー人たちの子どもの教育について、日本政府が何らかの特別な、つまり一般的な外国人学校としての扱いではなく、特別な扱いをすることに、合理的な理由がないわけではない。在日は、旧日本だった国からの移住者たちだったわけだし、ブラジル人たちは、日本が経済的に必要とした(私自身は全面的に賛成するわけではないが)ために、あえて特別な法を制定して、日本に受け入れた人たちである。日本人の海外赴任などとは違う。日本の都合が強い理由だったのだから、その子どもたちのことを国の責任として保障することは、必要かも知れない。それなら、そういう合理的な理由付けをするべきである。その場合、朝鮮学校を除外するのは、やはり適切ではないだろう。


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