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zoom RSS 自炊をしてみて、代行業者提訴の害悪を再認識

<<   作成日時 : 2012/04/10 22:47   >>

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 この春から、自炊を始めた。もちろん、一人暮らしをしているわけではないから、料理を始めたという意味ではなく、本のデジタル化だ。自炊代行業に頼もうかと思ったが、あまりにたくさんの本があり、多くを頼むとするとあまりに費用が高いし、あまりたくさん頼まないなら自分でやったほうがましだということで、自分でやることにした。裁断機を買い、前から別の目的で使用していたドキュメント・スキャナーでデジタル化するわけだ。これでとにかく、本棚から本を追放し、できるだけスペースを確保できるかも知れない。何年かかるかわからないが。

 そこで、昨年暮れに漫画家と作家が自炊代行業者を訴えた訴訟について考えてみたい。
 結論からいえば、この訴訟で原告を勝たせてはいけないと思う。そもそも、自炊代行が著作権を侵害しているとは思わない。少なくとも契約通りに行われ、それ以外のことが行われていなければ、著作権を侵害していないことは明らかだ。
 日本では、著作権者の権利が守られていないというよりは、私は不当に著作権者が著作権を拡大解釈して、合法な複製をも圧迫していると思っている。その代表的な事例が、winny 作成者の起訴という暴挙だった。無罪になったからいいようなものの、起訴という行為によって、実は日本社会、企業社会も含めて大きな損害を受けたといわざるをえない。winny が著作権侵害なら、ゼロックスだって著作権侵害だし、銃製作業者は殺人罪に問われねばならない。コピーをする機械を作ることと、違法なコピーをすることとは違う。適法なコピーがある以上、コピー機械を製作することは、合法である。にもかかわらず、winny 制作者を逮捕起訴させたのは、決して「検察の独断」ではなく、著作権者たちの意思だろう。

 では、人はなせ自炊をするのか。ほとんどの人は、本をたくさんもっていて、その置き場に困っていること。自炊して本を処分すれば、本に場所を占拠されなくてすむ。デジタル化すれば、膨大な冊数の本を iPad のようなビューアーにいれて、どこでも読むことができる。このふたつの理由から、自炊するわけであって、もし、デジタル化したファイルを不当に公表したり、販売したりする者が出たら、それを取り締まり罰すればよいことである。自炊は本をつぶすわけだから、本とファイルがふたつになるわけではない。業者はデジタル化したものをたぶんDVDなどに焼いて、それを元の所有者である注文者に渡す(返す)だけだろう。それは、「私的利用」の範囲を全く超えていない。何故なら、その人はもともと「本」を購入しているわけであり、その本の形態をファイル形態に変えただけだからである。

 デジタル化が著作権を侵す、つまり、不当な公表をされるという危険があるというが、それは代行業者でなくてもありうることだろう。むしろ、そのために代行業者に依頼することはほとんどないのではなかろうか。何故なら、公表したり、あるいは販売して利益をあげようとする者は、代行業者に頼むよりも、自分でやると思うからである。
 紙の複写機がこれほど発達した社会では、複写という行為と、その利用とは全く別のものとして扱わないと、まったく事実と乖離してしまう。

 この訴訟への批判的見解として、もっと安価な価格の電子書籍が出ないから、自炊が行われるのだ、だから、もっと電子書籍を低価格で出せば、こうした問題は起きないというような意見があるが、それは違うと思う。そもそも既に本をもっているから自炊をするのであって、もっていれば、低価格であろうと購買はしないだろう。やはり自炊すると思う。そもそも裁断機で切断して、スキャナにかけるという作業は、実に簡単で労力もごくわずかなのだ。もちろん、最初から電子書籍で買えば、自炊は不要なので、長い目で見れば、電子書籍の低価格化が自炊を減らすことは否定しない。そして、電子書籍の価格が高いことは、大いに改めてほしいと思う。岩波文庫の電子書籍は、文庫と同じ価格だそうだ。実に馬鹿げている。青空文庫で無料で読めるものを、購入する人がいるのだろうか。まして、文庫と同じ値段で。

 この訴訟を起こした「作家」とやらは、もっと電子書籍の文化発展における革命的な意味を理解すべきだろう。

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