教育と社会を考える

アクセスカウンタ

zoom RSS 教育研究集会まで抑圧する大阪市

<<   作成日時 : 2012/08/20 22:10   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 少し前の話だが、8月15日の朝日新聞に、「教研集会に学校貸さず 大阪市教委『条例に反する』教組側は市を提訴」と題する記事が出ていた。提訴の結果は記事としては出ていないが、これは極めて由々しき問題といわざるをえない。
 記事によると、「労働組合に関する便宜供与は行わない」と市条例で定めたので、組合である日教組の集会には、会場を貸さないということであるという。
 もちろん、勤務中に組合活動をするということは問題であるし、それをやめるようにさせることは、必要であるだろう。しかし、教育研究集会は、日常の教育実践の課題を極めて真摯に研究する集会であって、通常の組合活動ではないし、勤務時間中に行うものでもあるまい。学校は地域のさまざまな団体に開放されているはずであり、組合であるという理由で閉ざすとしたら、それは明確に差別であるといわざるをえないだろう。
 教育公務員特例法でも、教師に対して、研究と修養の努力義務を課しており、教師たちの研究集会を学校で行うことは、設備等を考慮すれば、誰が考えても合理的である。もちろん、通常の開放に際して、料金等を徴集しているのであれば、通常通り徴集すればよい。施設を使うのだから、無料である必要はないだろう。
 その記事によれば、2006年の最高裁で、「教研集会は教員の自主的研修という側面があり、学校の目的にかなっている」として「使用を認めるべきだ」との判断がなされているということだ。従って、今回の大阪市の措置は、違法ということになる。
 違法はもちろん問題だが、このように組合が子どもたちの教育向上のために長年行ってきた研究集会を、まるで「問題ある行事」であるかのように扱うことは、橋下市長自身の感覚が反民主主義的であることを示している。

 尚、上記最高裁判決の部分を以下に掲載しておく。
−−−−
◆公立学校の学校施設の目的外使用を許可するか否かの管理者の判断の適否に関する司法審査は、その判断が裁量権の行使としてされたことを前提とした上で、その判断要素の選択や判断過程に合理性を欠くところがないかを検討し、その判断が、重要な事実の基礎を欠くか、又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限って、裁量権の逸脱又は濫用として違法となるとすべきものである。
◆公立小中学校等の教職員によって組織された職員団体がその主催する教育研究集会の会場として市立中学校の学校施設を使用することの許可を申請したのに対し、市教育委員会が同中学校及びその周辺の学校や地域に混乱を招き、児童生徒に教育上悪影響を与え、学校教育に支障を来すことが予想されるとの理由でこれを不許可とする処分をした場合につき、(一)教育研究集会は、上記職員団体の労働運動としての側面も強く有するものの、教員らによる自主的研修としての側面をも有していること、(二)前年の第四八次教育研究集会まで一回を除いてすべて学校施設が会場として使用されてきていたこと、(三)上記申請に係る集会について右翼団体等による具体的な妨害の動きがあったことは認められず、上記集会の予定された日は休校日である土曜日と日曜日であったこと、(四)教育研究集会の要綱などの刊行物に学習指導要領等に対して批判的な内容の記載は存在するが、いずれも抽象的な表現にとどまり、それらが自主的研修の側面を大きくしのぐほどに中心的な討議対象となるものとまでは認められないこと、(五)当該集会の中でも学校教科項目の研究討議を行う分科会の場として学校施設を利用する場合と他の公共施設を利用する場合とで利便性に大きな差違があることは否定できないこと、(六)当該中学校の校長が職員会議を開いた上で支障がないとし、いったんは口頭で使用を許可する意思を表示した後に、市教育委員会が過去の右翼団体の妨害行動を例に挙げて使用させない方向に指導し、不許可処分をするに至ったことなど判示の事情の下においては、上記不許可処分は裁量権を逸脱したものである。(平成18年 2月 7日 裁判所名 最高裁第三小法廷)
−−−−

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
教育研究集会まで抑圧する大阪市 教育と社会を考える/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる