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zoom RSS 田中大臣の新設予定大学の不認可

<<   作成日時 : 2012/11/06 06:12   >>

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 田中文部科学大臣が、3つの大学新設に関して、大学設置・学校法人審議会が認めたにもかかわらず、不認可という決定をだし、それに対して、大村愛知県知事が「謝罪し撤回をせよ」と記者会見で述べたと、産経新聞(11.5)が報道している。田中大臣の決定は、もちろん驚いたが、大村知事の発言にも驚いた。
 形式的にいえば、田中大臣の決定は、法に違反しているという大村知事の批判はあたっていないと思われる。大学設置・学校法人審議会を見直してみたが、審議会の決定に大臣が拘束されるとは書いていない。一般的にいって「審議会」というのは、審議をするのであって、最終的な決定権は与えられていない会議である。つまり、審議会は、「**審議会の議を経て、○○が決定する」というものであろう。つまり、大学の認可は、大学設置・学校法人審議会の議を経て、文部科学大臣が決定するというのが、法令上の建前である。
 しかし、審議会のメンバーは大臣が任命するのだから、審議会の採決と大臣の意思が対立するということは、通常はおきない。今回は、同じ民主党内閣ではあれ、審議会委員を任命した大臣と、現在の大臣が異なる人だったということで起きたことだろう。田中真紀子大臣であっても、自分が任命した審議会委員の判断を覆すことは、考えないだろう。
 では、今回の大臣の判断をどう考えるのか。
 審議会の判断の詳細を知ることができない限り、厳密なことはいえない。
 だが、このタイミングでの否定は、いかにも迷惑をかけるひとたちが少なくないといわざるをえない。大学の新設に関しては、募集の関係があるので、正式決定をまたず、募集事務を始めるのが通例である。もちろん、それは文部科学省からの許可があるわけだ。今回田中文相によって、認可が見送られた3つの大学は、ホームページで確認する限り、募集事務を開始していた。もちろん、募集そのものは試験前だから、今から募集しているわけではないが、当然かなり前から宣伝をしなければ、誰も応募などしないから、どんなに遅くても数カ月前から宣伝を始める必要がある。審議会の進捗状況を考慮して、「申請中」と断りをいれて、募集事務を始めてよいと許可が出るわけだ。つまりこの3大学は、募集事務の許可がおりているわけだから、この段階で認可を覆すというのは、異例中の異例である。大臣の権限逸脱かどうかは、大臣がどれだけ経過や実態をきちんと把握した上での判断かとによるだろうが、大臣就任からの期間を見れば、「簡単に大学設置を認可すべきではない」という「自分の考え」だけに基づいたものに違いない。3大学の中には、提訴するという大学もあるのだから、大臣の判断の正当性は、今後問われることになるだろう。

 実は教育界では、田中真紀子の提言によって実現した政策によって、大きな迷惑を被ったことがある。もっとも、それは快挙であったとする意見も少なくないのだが、実態を知っている者からすれば、迷惑部分の方が多いのである。それは教職免許を履修している者全員に、福祉施設と特別支援学校の見学を義務付けたことである。「介護実習」と呼ばれているものだ。いいことではないかと思う人も多いに違いないが、明らかに思いつき以上をでない方式なので、効果よりは、現場の大変さが圧倒的に増大しただけなのだ。
 もちろん、教師になる者が、福祉施設や特別支援学校のことをきちんと理解していることは、非常に重要であるし、また、必要なことだろう。しかし、だからといって1週間見学すれば、理解できるものでもない。現在の教職課程で、福祉関係も特別支援関係も、履修すべき科目の中にはいっておらず、ほとんどの学生は、何も勉強せずに現場に見学にいくわけである。私は、法令では求められていなくても、現場にいって知らないと困るので、特別支援教育の授業は必須にすべきだと主張しているのだが、法令上必要ないので、実現していない。
 だから、「実習(といっても実態は見学)」にいっても、何をしていいかわからない、という学生が多く、また、受け入れる側からしても、何をしていいかわからない学生がやってきても、本音は迷惑感が強いではないだろうか。
 大学の授業でしっかり関連科目を学習した上で、実習をするならば、学生にとっても成果があるし、また受け入れ側も歓迎するだろう。しかし、ほとんどそうした成果は望めないような案が決まってしまったために、とにかく、現場は振り回されているのが実態なのだ。

 大学の申請は、教職員の雇用にも関わり、勤務している大学等を辞めて、新たに契約している者もいるわけだから、受験生だけではなく、というより、受験生は志望を変更すればいいが、勤務予定の教職員からすれば、生活問題だからより深刻である。
 申請内容に問題があるならば、随時指摘があるし、問題ないという判断があるからこそ、学生募集事務の開始が許可されるわけであり、その時点での不認可というのは、やはり、かなりの暴挙である。

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