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zoom RSS NHK新会長の会見

<<   作成日時 : 2014/01/28 22:38   >>

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 NHK新会長の会見が問題となっている。朝日新聞に詳細な報道があるので(1月26日ウェブ版)読んでみた。これが、NHK会長の会見かと思うと、ぞっとするようなおそまつなものだ。例によって産経新聞は、やっと言ってくれたと喜んでいる風の記事を載せ、NHKに寄せられた見解の2割は支持だったと紹介している。
 長くなるが、当該部分を引用しておこう。
−−−
 ――何か証拠があってのことなのか

 この問題にこれ以上深入りすることはやめたいのですが、いいですか。慰安婦そのものが良いか悪いかと言われれば、今のモラルでは悪いんです。じゃあ、従軍慰安婦はどうだったかと言われると、これはそのときの現実としてあったということなんです。私は慰安婦は良いとは言っていない。ただ、ふたつに分けないと、話はややこしいですよ。従軍慰安婦が韓国だけにあって、他になかったという証拠がありますか?
 言葉尻をとらえてもだめですよ。あなた、行って調べてごらんなさいよ。あったはずですよ。あったんですよ、現実的に。ないという証拠もないでしょう。やっぱり従軍慰安婦の問題を色々うんぬんされると、これはちょっとおかしいんじゃないかという気がしますよ。私、良いといっていませんよ。しかしどう思いますか。日本だけがやっていたようなことを言われて。

 ――他の国にもあったということと、どこの国にもあったということは違う

 戦争をしているどこの国にもあったでしょ、ということです。じゃあ、ドイツにありませんでしたか、フランスにありませんでしたか? そんなことないでしょう。ヨーロッパはどこだってあったでしょう。じゃあ、なぜオランダに今ごろまだ飾り窓があるんですか? 議論するつもりはありませんが、私が「どこでもあった」と言ったのは、世界中くまなくどこでもあったと言っているのではなくて、戦争している所では大体そういうものは付きものだったわけですよ。証拠があるかと言われたけれども、逆に僕は、なかったという証拠はどこにあったのか聞きたいですよ。
 僕が今韓国がやっていることで一番不満なのは、ここまで言うのは会長としては言い過ぎですから、会長の職はさておき、さておきですよ、これを忘れないで下さいよ。韓国が、日本だけが強制連行をしたみたいなことを言っているから、話がややこしいですよ。お金寄越せと言っているわけですよ、補償しろと言っているわけですよ。しかしそういうことは全て、日韓条約で国際的には解決しているわけですよ。それをなぜそれを蒸し返されるんですか。おかしいでしょう。そう思いますよ、僕は。

 ――今のところ、「会長としての職はさておいて」というが、ここは会長会見の場だ

 失礼しました。じゃあ、全部取り消します。
−−−
 こうした見解をとるひと達の特徴は、問題になっていることを、まず矮小化し、そのことに限定して、議論する、その点で問題がないと主張して、全体としての問題を無視してしまうという手法である。
 その典型は、日本の戦争責任である。日本の侵略戦争責任は事後法によって裁かれたので、無効だという主張である。その際、たいていは、インドのパール判事の判決をもちだす。しかし、私の見る限り、その判決文を読んだわけでもない者が多いはずである。何故ならば、パール判決は、日本を免罪など一切しておらず、日本の戦争責任を厳しく問いただしている文書なのである。少しでも読めばわかる。確かに、当時の国際法規では日本の罪を裁くことはできないとして、無罪を主張している。しかし、それと、日本の戦争責任を問わないこととは全く別である。また、それはあくまでもパールの認識であって、当時の国際法規で、侵略戦争を禁止していなかったかどうかは、別の問題であるし、また、そうした国際条約を考慮にいれないならば、戦勝国は、敗戦国に対して、自由に処分ができるという話になるだけのことなのである。
 ここの主題ではないので、慰安婦問題に移ろう。

 どこの国にも、慰安婦はいたというのは、もちろん、ごまかしの言い方である。日本の慰安婦が問題になっているのは、「どこにでもいた」形ではない慰安婦を組織したことなのである。
 たしかに、戦争のある地域では、ほとんどの地域に、売春・買春が発生する。さらに悪ければ、勝利側の兵士が、まけた側のその土地の女性たちを強姦する。そうしたことは、たしかに、歴史をみれば、珍しくないことである。しかし、日本軍が行なったような慰安婦制度は、極めて珍しい形であり、そのことの故に、多くの悲劇を生んだという事実は否定のしようがない。
 通常は、現地の女性が対象となる。しかし、日本軍は、日本人を連れていった。それは、ある意味良心的なのかもしれない。病気の対策とか、現地人女性への強姦を防ぐという意味において。(なかったという意味ではない。)そして、たしかに、対価を得ることはできる形で、売春が行なわれたのだろう。だからといって、お金目当てで、自発的に行ったのだ、という説明が成立するだろうか。
 戦争が行なわれている地域に、女性が慰安婦として、いくらお金がもらえるからといって、本当に自発的な意思で応募した女性は、多くないはずである。
 あるいは、一歩譲って、多くの女性はそうだったと仮定してみてもよい。
 しかし、日本軍は次第に敗色濃厚になり、極めて悲惨な状況になっていった。軍人は軍の中で命令にそった行動をしなくてはならないとしても、軍人ではない女性たちは、安全に帰国できるように、きちんと配慮されたのだろうか。どう考えても、その可能性は低い。現地の女性であれば、兵隊相手の売春をしていても、機をみて撤退すること、自分の安全な生活圏に逃げ込むことは、困難でも不可能ではなかったろうが、日本からいった女性達は、軍とともにするしかない。そういう意味で、奴隷的状況に置かれたひと達が少なくなかったことは、容易に想像されるのである。
 そして、そうした慰安婦のあり方が、どの国にもあったとは、決していえないのである。まったく歴史の事実を無視したおそまつなものの言い方である。しかも、オランダの飾り窓を例にだすとは、品性そのものが恐ろしく低劣なのだろう。
 慰安婦は強制的ではなかったという人たちは、インドネシアにおけるオランダ人女性たちのことは、決して触れない。私は1年間ずつ2度、オランダに住んだことがあるので、オランダ人の反日感情のことを、かなり聞かされた。いまでもオランダ人の中には、日本に対する恨みの感情をもっているひと達が存在しているのだが、それは、インドネシアにおける経験である。そして、その中心は、強制労働と、強制売春が原因である。インドネシアにおけるオランダ人は、支配者であり、国際法に則って、捕虜として処遇すれば、女性たちが、お金のために慰安婦になることはありえない。文字通り強制的に慰安婦にさせられたのである。

 このようなことを書いたりするこを、「自虐的」というひと達がいるが、過去の過ちをきちんと認識して認めることは、誇りある人間としての条件である。都合の悪いことを、そんなことはなかったといったり、どこでもやっていただろう、などという言い方をするひと達は、言い逃れ根性であるに過ぎない。
 NHKの新会長が、そうした人物であるというのは、まったく恐ろしいことであり、総理大臣が、そうした人物をあえて選んだということは、もっと深刻な事態であろう。

 なお誤解されないように書いておくが、日本が国家として、現時点において、慰安婦だった人たちに補償をする必要はないと思うし、また、その要求は不当であると思う。その要求は、まず韓国政府に対して向けられるべきである。問題がある条約であるにせよ、個人補償の責任は、韓国政府がとるという条件を含めて、賠償が行なわれたというのは、否定できない事実である。もちろん、その条約の改訂版を新たに結ぶということは、ありえない話しではないと思う。しかし、そうだとしても、その段階を踏む必要がある。
 国家として結んだ条約を無視することは、もちろんあってはならないことである。

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