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zoom RSS ノーベル物理学賞受賞で思うこと

<<   作成日時 : 2014/10/09 17:51   >>

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 ノーベル物理学賞を日本人が受賞したということで沸いている。産経新聞は以下のように書いている。
 「2014年10+ 件のノーベル物理学賞に、青色LEDの基礎技術開発で、日本人3氏が受賞するという、喜ばしいニュースが飛び込んできた。ところでよく耳にする「青色発光ダイオード」ってなに?実は、1962年に米国で発明されたが、実用化に必要な重要技術の開発は、すべて日本人が成し遂げていたのだ。」
 しかし、外国の新聞、たとえば、オランダの Volkskrant を読んだのだが、日本人2人と日本出身のアメリカ人1人が受賞したと報道している。もちろん、正確には、オランダの新聞が正しい。なぜなら、確かに中村修二氏は、日本で生まれ、育ち、研究成果をあげたが、その後アメリカに渡って、アメリカに帰化している。つまり、現在は日本人はなく、アメリカ人である。3氏の受賞は、もちろんすばらしいものだが、日本が彼らを無条件で日本人とするのは、どうもすっきりしない。中村氏が、企業研究で得た成果の、研究者の取り分があまりに少ないとして、訴訟を起こし、200億の支払い命令が出たが、その後、日本がいやになった中村氏が、アメリカに渡ったことは、とてもよく覚えている。そして、今回の受賞でも、氏は日本を批判している。日本は、開発しても、製品化する点において、完全に国際的に敗者になっているという。
 ただ、日本人が受賞したと喜ぶのだけではなく、こういう中村氏の苦言も十分に受け止めねばならないはずである。
 それも、安部首相が、5月にOECDの会議で行った発言を思い出すからである。
 今年の5月6日に、OECD閣僚理事会で、安部首相は演説を行い、その中で次のように述べている。
 「日本では、みんな横並び、単線型の教育ばかりを行ってきました。小学校6年、中学校3年、高校3年の後、理系学生の半分以上が、工学部の研究室に入る。こればかりを繰り返してきたのです。
 しかし、そうしたモノカルチャー型の高等教育では、斬新な発想は生まれません。
 だからこそ、私は、教育改革を進めています。学術研究を深めるのではなく、もっと社会のニーズを見据えた、もっと実践的な、職業教育を行う。そうした新たな枠組みを、高等教育に取り込みたいと考えています。」
 ところで、これまでのノーベル賞受賞は、すべて安部首相就任のずっと前の教育、つまり、ここでいう「モノカルチャー型の高等教育で、斬新な発想は生まれない」と書き下ろした教育の中で、今回のノーベル賞受賞者たちは、教育を受け、研究をしてきた。山中氏だったそうだ。もっと前の受賞者たちは、アメリカでの研究による人も少なくなかったが、最近の日本の受賞者は、日本国内での研究が多いはずである。もちろん、日本の教育を受けてのことだ。ところが、そうした教育を、安部首相は、変えようというのである。
 「学術研究を深めるのではなく、もっと実践的な職業教育を行う」のだそうだ。詳細な現実の進行は、わからないが、この線にそって、既に、国立大学では、文科系を切り捨てていく方針が文部科学省の中でかなり方向づけされているという。
 安部首相が、いかに「研究の世界」について無知であり、かつ破壊的な介入を行う人物であるかは、stap細胞の事件を見ればはっきりわかる。stap細胞をめぐる一連の動きの中で、日本の科学研究の国際的信用がかなり傷つけられたといわれているが、その傷口を広げさせたのは、明らかに安部・下村の政治介入であった。いくら研究者の集団で管理能力がないといっても、あの理研幹部たちのおそまつさは、政治介入があったからだと考えるのが自然である。「小保方を実験に参加させよ」と圧力をかけ、処分すらできないようにしたわけである。
 まともに、科学的発見を生むこと、そうした研究を促進するためには、「学術研究」が不可欠であることは、おそらく、ノーベル賞受賞者のなかで否定する者はいないだろう。今回の3人は、「学術研究」ではなく、「職業教育」をやってきたとでもいうのだろうか。学術研究などせず、職業教育をやっていれば、科学技術を革新する成果が出てくるなどと主張されたら、おそらく日本の科学者は、腰が抜けるだろう。
 科学技術を理解しない政府首脳と、日本人が受賞したとただ喜んでいる表面的なメディアとで浮かれている間に、日本の大学は、深刻な事態になる恐れがある。

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内 容 ニックネーム/日時
ジジイ三人が自己満足に溺れてるだけですわ。
…………
2014/10/11 13:00

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