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zoom RSS 大阪市でまた民間人校長が早期退職

<<   作成日時 : 2015/03/28 11:51   >>

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 毎日新聞2015.3.25によると、大阪市の民間人校長がまた任期満了をまたずに退職することになったという。授業妨害など不正常な状況があるにもかかわらず、学校内をみずに校長室にこもったままで、問題解決のリーダーシップを発揮しないので、保護者たちからの批判があったからだという。これで、大阪市の民間人校長11名のうち6名が中途退職となったという。
 だから民間人校長はだめなのだと、直ちに結論付けていいとは思わないが、やはり、民間企業と校長の差異について理解しないと、企業人としての手腕があるから、校長として優れた実績を直ちにつながるわけではないことを認識すべきだろう。更に、大阪市の場合には、選抜する側が橋下市長である点も見逃すわけにはいかないだろう。
 まず前者から考えてみる。
 企業は基本的にピラミッド型のラインで構成されており、上司は部下に対して命令権限をもっている。部下が上司の命令に従わなければ処分することができるだろうし、その意味で、上司は、自分の意思を部下にかなりの程度確実に実行させることができると思われる。
 しかし、学校では、校長は教師たちに対して、命令を出すことができる部分は限定されており、学校の重要な仕事である教育活動に対しては、命令を出すことはできない。この点は、教育行政側は誤解をさせたいのか、校長には広範に命令権があるかの如くいう場合があるが、法令上も教育については、「指導助言」ができるだけである。つまり、学校の運営の全体的な枠組みに関しての決定権はあるし、命令もできるが、日々の教育活動については、命令できないのである。教室が荒れているとか、生活指導上の問題が頻発しており、それに対応しなければならないというのは、もちろん教育活動上のことだから、校長が命令できるわけではない。あくまでも優れた識見に基づいた指導をしながら、事態を改善をする必要がある。注意しなければならないのは、だから校長に教育活動に対しても命令できるようにすべきだとと思う人がいるかもしれないが、教育活動は命令して変更できるものではない、という点が本質であって、命令でも指導でも、実際の効果は良くても同じであり、むしろ命令が事態を悪化させることのほうが多いから、指導助言権に限定していることを認識する必要がある。
 たとえば、水泳で呼吸がうまくいかない子どもがいて、正しい呼吸の仕方を命令したら、その子どもはうまくいくようになるか、というような事例を考えてみればよい。おそらく、命令で改善できるという人はいないだろう。どのような呼吸法をしており、それが何故悪いのか、どういう呼吸法が適切なのか、それをやるには、どういう練習をすればいいのか、等々をわかるように説明して練習させて、初めて改善できるのである。もし、命令で呼吸法が改善できると思って、そのような「命令」を繰り返す指導者がいたとしたら、教わる子どもは、その人を信用しなくなり、ますます上達しなくなるか、指導者を変えたいと思うだろう。
 ところが、民間企業出身の人たちは、命令で部下を動かしてきたから、教師たちにもそのように接するかもしれない。それでうまくいくことはあまりないから、校長は浮いてしまう。おそらく、今回辞職した校長もそうした失敗を繰り返していたのだはないだろうか。校長室にこもったのも、教師たちから浮いた状況を想像させる。
 もっとも、よく考えれば、民間企業だって、優れた上司は、命令に頼るのではなく、納得させる指導で部下たちを動かしているのではないかと思うが。
 後者の問題は、大阪市で民間人校長の失敗が続いているのは何故かということである。
 それは端的に、橋下市長の反教育的な姿勢に共感する人たちが、民間人校長に応募してくるからだろうと考えざるをえない。橋下市長自身が、命令的抑圧的な人物なのだから、彼が募集するポストに、命令ではなく指導で、というような理念をもっている人が応募してくることは、あまりないのだろうと思う。類を呼ぶ典型だ。

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