教育と社会を考える

アクセスカウンタ

zoom RSS 東大PEAK入学辞退者を考える

<<   作成日時 : 2015/04/05 22:22   >>

面白い ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

 東大の教養学部英語コースの入学辞退者が7割にもなったことが話題になっている。東大での授業がすべて英語で受けられるようにして、外国人の留学生が学び安くなるということで設定されたコースだそうだ。辞退者の多くはオックスフォードやハーバードに合格して、そちらに入学するのだそうだ。東大も落ちたものだ、というような感覚で受け取られているが、それは勘違いというものだろう。これまでは、海外から東大の1年生(教養学部)に直接入学するという人は、ほとんどいなかったはずだ。入試は日本語で行われるのだから、日本で学んでいた外国人は受験可能だが、海外の外国人には不可能だし、東大に入ろうという気持ちすら起きないだろう。そういう意味では、志願者数が、増えていることのほうが驚きだ。
 日本の大学は、極めて厳しい冬の時代を迎えており、存続そのものが危ぶまれている大学が多いし、またその不安をもっている大学が多数だが、他方、国際競争の波にのまれ、なんとか国際ランクを上昇させるべく、激走している大学も少数ながらある。東大はその代表として、外国人の入学者を獲得しようとしているのだろう。
 私が興味をもったのは、書類先行と面接試験を居住地まで担当教員が出向いて行ったということがひとつである。そもそも、アメリカの私立の学校では、大学も下級の学校も含めて、入試会場に招集して試験を行うようなことは普通ない。問題用紙を郵送で現地管理で行うし、面接も近くにいる人物に依頼したりする。ハーバード大学などは、世界中に卒業生がいるから、登録した卒業生で、受験生の近くに住んでいる者に面接を依頼する。東大の場合、やはり国際化の度合いが低いのか、あるいはこうした点での協力体制が未整備だからなのか、わざわざ教員が出向くというのは、本当に大変だろう。2013年度に79人の面接を行ったというのだから驚く。
 もうひとつの興味は、実はまったくこの話題では語られていないのだが、日本人の東大合格者で、海外の大学にいくために辞退した人は、どのくらいいるのだろうかという点だ。近年、上位進学校では、東大よりも海外の国際的なランクの高い大学に進学することをめざす生徒が多くなっていると、前に話題になったことがある。
 東大のホームページで、昨年の合格者と入学者の数値を見ると、理Tと理Uで辞退者が計5名いるようだ。どこに逃げたかはわからないが、おそらく他の大学の医学部なのではないかと思われる。つまり、いたとしても、ごくわずかな人しか、東大を蹴って、外国の大学にいっているものはいないということだ。(ハーバードなどを希望する高校生は、東大は受験しないのかも知れない。もっとも、東大の数値は4月1日段階であり、北米の大学の合格発表は長期間に渡って順次行われるので、この後合格者が辞退している可能性もある。)
 アンドレス・オッペンハイマー『ラテンアメリカの教育戦略』(渡邉尚人訳時事通信社)に次のような記述がある。「北米の大学は、優れた教育を求めるインド人、中国人、韓国人、ベトナム人であふれている。」(29p)
 ラテンアメリカでの教育投資が低いことを、ラテンアメリカの停滞の原因とする分析の本であるが、ここでは、日本の留学生の影はあまり語られていない。確かに、留学する学生たちが減少していることは、前から指摘されていた。大学冬の時代を迎えて、むしろ以前は留学生を送り出すことなど困難だった中位・低位の大学で留学させる大学が増えている。だから、おそらく上位校で内向き傾向が強くなっているのではないかと感じる。
 次に、その原因について考えてみたい。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
面白い

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
東大PEAK入学辞退者を考える 教育と社会を考える/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる