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zoom RSS 離婚後の最近禁止期間に関する最高裁判決

<<   作成日時 : 2015/12/25 20:25   >>

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 離婚後の再婚を女性にのみ6カ月間認めない規定が違憲であるかどうかについての、最高裁の判決が出て、いろいろと議論されている。判決の全文を読むことができたので、意見を自分なりにまとめておきたい。
 判決の核は、6カ月のうち、100日を超える部分については違憲であるというものだ。そして、国家賠償は認めないという判断もしている。
 岡山地裁における第一審判決は、要旨が以下のようなものだった。

民法733条1項の再婚禁止期間の規定のために婚姻が遅れ、これによって精神的損害を被ったと主張する原告が、憲法14条1項及び24条2項に違反する民法733条1項について、嫡出推定の重複を回避するのに最低限必要な100日に再婚禁止期間を短縮する等の改正の立法をしなかった国会議員の立法不作為は、国賠法上違法であるとして、損害賠償を求めた事案において、合理的な根拠に基づいて各人の法的取扱いに区別を設けることは憲法14条1項及び24条2項に違反するものではないところ、民法733条1項の立法目的には合理性が認められ、また、同項の規定が本件区別を生じさせていることが憲法に違反するものでないと解する余地も十分にあるから、本件立法不作為につき、国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合などに当たるとはいえず、国賠法上違法とはいえないとして、請求を棄却した事例。

 当初私がよく理解できなかったのは、新聞報道で、100日を超える部分は違憲であるとされたところだ。憲法の男女平等規定に基づけば、100日だって違憲のはずなのに、何故100日までは女性のみに結婚禁止を課せるのか、そして、メディアはそれについてあまり疑問を提示していないのが理解できなかったのである。
 最高裁判決と、第一審判決を読むと、なんとなくだが、原告の主張そのものが100日を超える部分は違憲であると主張しているので、裁判所の判断もそれに基づいたと解釈できる。そして、何故100日かというのは、理屈上は、婚姻成立から200日経過後、婚姻解消後300日以内に生まれた子どもは、当該婚姻に係る夫の子と推定するという民法772条規定から、100日だけ禁止すれば推定は崩れないというもので、そうした国会での議論が過去になされ、それにそった改定が勧告されていたということが根拠になっている。原告は、その民法規定や国会勧告をみて、100日規定で戦ったほうが勝算があると考えて、そういう論理構成をとったのだろうか。もし、違憲という観点からだけいえば、男女平等原則からして、男女を同じにすべきだ、禁止期間はいらない、そういう国は少なくないという論理構成のほうがすっきりしたろう。第一審では敗訴しているが、最高裁では、原告の論理で勝訴しているのだが、実は、補足意見として、禁止期間は男女ともない状態が憲法的によいというする違憲が複数の裁判官から出されている。

 私は、補足意見のように、男女ともに禁止期間は設けないのが憲法の原則に合致すると考える。
 父親の推定を婚姻との「期間」で行う行為自体は、婚姻が安定している前提で成立するものだろう。しかし、離婚やそれから間もない再婚ということは、婚姻そものものが安定していないわけだから、期間で子を推定する前提が崩れていると見なすべきである。崩れているとすれば、考えられるいくつかの場合を想定して、取り扱いをあらかじめ決めておけばよいわけだし、100日規定を設けたとしても、トラブルを完全に防げるわけでもない。
 まず、再婚した夫婦が、再婚後生まれた子どもを、生物的な親子関係を考慮せず、結婚後生まれた子どもだら、自分たちの子どもであると考える場合があるだろう。その場合、推定やDNA鑑定等をするまでもなく、親子関係を成立させて問題はないはずである。生物的親子関係ではなくても、正規の養子なら、社会的に親子関係が成立しているのだから。
 再婚後生まれた子どもが、生物的な子どもである場合だけ、自分の子どもとして認めるという立場を夫がとるならば、後日トラブルがないように、再婚時に、必要な措置をとるように規定すればいいのではないだろうか。
たとえば
1妊娠の有無をチェックし、妊娠していたときには、その父が前の夫か、新しい夫かを申し出る。その申し出の内容を納得できない場合には、速やかにDNA鑑定で明確にする。
2前の夫の子どもであった場合には、前の夫にも、養育責任(費用)を課す。
3その場合、再婚するかは、当事者の再度の意志決定に任せる。
 もちろん、こういうことをすれば、トラブルが完全に防げるわけではないし、そんなことは意に沿わないという人もいるだろうが、それがいやな人は、意に沿う形での法的選択をさせればいいのではないだろうか。
 
 これまでの父親の認定を「推定」という、科学的判断が不可能な時代の手法だけをいまだに採用していることが問題である。推定という手法は、「曖昧」であること以外に、本物の父親が扶養義務を果たさなくてもいいような事態を容認するという重大な問題もある。生物的な親は、父親であろうと母親であろうと、原則、成人までは扶養義務があるとすべきである。もちろん、再婚して、生活上の関係が切れたあと、養育している新しい夫婦が、前の生物的親の扶養を望まないし、必要ないとする場合には、そこで免除してもよいだろうが、そうでない場合以外は、扶養義務は切れないという法的ルールが必要であり、それを怠った場合には、罰則を課すべきである。
 トラブルになったときには、適正にDNA鑑定を導入すればいいのであって、婚姻関係にある夫婦から生まれた子どもは、その夫婦を両親とするという規定を基本に、離婚や、親子関係への疑念は、当事者の話し合いで了解するか、了解できない場合には、鑑定をすれば、疑いのない判定ができるはずである。その際、生物的親は必ず子どもの扶養義務があることを前提にすれば、話し合いの了解も改善されるのではなかろうか。

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