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zoom RSS エルシステマに関する質問コメントへの回答

<<   作成日時 : 2017/01/05 18:41   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 1

 2014年12月に書いた「エルシステマ論」に質問コメントがあったので、ここで回答します。原文は
http://wakei.at.webry.info/201412/article_3.html
です。

 コメントありがとうございます。
 音楽で犯罪を防げる、音楽は政治的でないということを、現在でも思っているのかという質問ですが、まず問いそのものに、多少の修正が必要であると感じます。
 音楽で犯罪を防げるという考えはもっておりませんで、クラシック音楽の楽器を学ぶことが、犯罪抑止効果がある、というのが、私の密かな考えであり、エルシステマに関しては、そこにオーケストラという要件が加わることになります。
 それから2番目に関しては、音楽が政治的でないという主張はもったことがなく、エルシステマに関する政治的な攻撃についての批判的なコメントをしただけなので、これもかなり細かな検討が必要であるように思います。
 エルシステマに関しては、確実にいえることは、エルシステマに参加していることが、子どもを犯罪から守っていることです。これは否定できない事実だと思います。ベネズエラは世界でも街が危険に満ちあふれているところとして、知られていますが、危険地域だと、普通に歩いていても流れ弾にあたったり、誘拐されたりすることがあると言われています。エルシステマに参加すると、親の送り迎えがあり、活動中は、建物のなかにいるわけなので、そうした危険から隔離されるという意味で、犯罪から守っているわけです。
 ではエルシステマにかなりの人数が参加して40年も経っているのだから、ベネズエラの犯罪が減ってもいいではないかという意見もあります。しかし、それは大人の社会のことであって、最近はそうでもないですが、かなりの時期、ベネズエラは石油で潤っていたので、外国からの流入人口があり、それが犯罪を増大させている面があるので、エルシステマの普及で犯罪が減少しなかったからといって、エルシステマの犯罪から護る要素を否定することにらならないと考えます。
 更に、問題は、既に非行や犯罪をしてしまった人が、音楽によって更生できるかということがあります。これは、少なくとも少年院や刑務所で行われている状況から考えれば、かなりの効果があるといえるでしょう。もっとも犯罪者でオーケストラをやろうとする者は、もともと少ないわけだし、そこに多額の予算が組まれているわけでもないので、犯罪者全体からみれば、微々たるものでしょうが、これまでの実績から考えれば、効果があると、私はいえると思います。
 次に音楽と政治の関係ですが、これは、文明発生以来、音楽は政治の道具という側面があり、無関係とはとうていいえないでしょう。しかし、だからといって、政治が音楽を利用することに、無批判であってはいけないと思われます。民主主義社会において、国民全体の利益になるような、また、そこに参加していないことが不利になったりしないようにするという範囲で、音楽は政治の援助を受けることは、意味があると思われます。エルシステマは、そういう意味で、膨大な国家予算を使っているわけですが、国民の利益になるわけだし、また、誰でも参加できるし、参加しないことが不利をもたらすわけでもないので、国家が支えることは積極的な意味があるというべきです。だからこそ、新自由主義的な政府も、また社会主義的な政府も、エルシステマを援助してきたわけです。
 しかし、2014年におきた反ドゥダメル運動は、エルシステマを反政府にむけさせるべく、党派的な活動であったと考えられ、同様の政治運動がアメリカでも行われたことからわかるように、エルシステマが国民的な運動であったことを利用して、選挙で選ばれた政権を打倒するための、非常に不当な運動であったと、私は考えています。ドゥダメルが無視したのは、全く正しかったのです。エルシステマに記念日に大統領を招待するのは、ずっと前からやっていたことであり、たとえ政治的に反対の政党が政権をとったとしても、その政権の大統領を招待するでしょう。それが適切な対応です。
 音楽が政治と無関係ではありえないと思いますが、民主主義的な原則と、表現や芸術の自由な活動と調和することを実現するような、政治と音楽の関わり方が目指される必要があると思います。
 なお、元の文章で紀要に執筆したという論文は、以下からダウンロードできます。
http://sucra.saitama-u.ac.jp/modules/xoonips/detail.php?id=BKK0003026

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内 容 ニックネーム/日時
丁寧に回答して頂きありがとうございます。
リンク先も読んでみたいと思います。
Gai
2017/01/08 19:21

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