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zoom RSS 大谷の二刀流挑戦と評価基準

<<   作成日時 : 2017/12/03 11:18  

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 ケインズの「自由主義の終焉」という論文を読んでいたら、そこに、個人主義が自然淘汰の議論をするときには、補助的に「貨幣愛」を使用するという指摘があった。ケインズは「貨幣愛」なるものを相対化している経済学者であるが、ここで、大谷翔平のことを自然に思い出した。大谷は、お金ではなく、二刀流を実現させてくれることを重視して、所属球団を選ぶと報道されているからだ。尤も一年目の年棒などは、活躍によって直ちに高騰するだろうが。
 大谷が二刀流を目指していることに対して、多くのプロ野球関係者、特に先輩たちは、投手が打者かに一本化しないと大成しないし、記録も残せない、中途半端になると主張して、反対している。特に張本などは、日曜日の番組で、大谷が話題になる度に主張している。
 張本は日本における最多ヒット数の記録保持者であったから、そうした記録を重視し、大谷にも記録に残る選手になってほしいということなのだろう。しかし、「記録」なるものも、実は時代によってかなり変化している。私が野球少年だったころは、投手は、先発完投が基本で、主な投手の記録は、「勝利数」と「防御率」だけだった。中継ぎで投げたり、抑えの投手の記録は、もちろんあったにしても重視されなかったのである。その後、江夏のような抑えで活躍する投手が現れて、セーブ記録なるものが「重視」されるようになり、中継ぎの記録なども表立って話題になっている。
 打者にしても、打率・本塁打・打点が重要であることは、今でも同じだが、犠打の日本記録などが重視されるようになったのは、最近のことだろう。こうした記録の変遷は、中心的に活躍する選手の記録だけではなく、脇役の活躍も重視し、次第に細かくなってきている点に特徴がある。つまり、常に出場する中心選手だけではなく、代打、代走、途中出場の選手の記録も残そうということである。それはそれとして、非常に重要であり、一人ですべてを担うことが難しくなっているスタイルの中で、脇役たちの記録も重視することは、全体としてのモチベーションを高めるために必要であろう。
 しかし、逆の方向性もないわけではないし、また、もっと必要だともいえる。つまり、個別化された領域での記録ではなく、総合的な記録である。例えば、30本塁打、3割、30盗塁という記録が、それを実現する選手が出ると話題になるが、滅多に出ないので、普段はあまり話題にならないが、それが目標になるように、もっと日常的に話題にしてもよいはずである。野手としての打撃と走塁の総合力を示す意味で非常に重要な評価基準だからである。更に、これに守備の基準を加えた指標があれば、野手としての全体的力量を示す評価基準になるだろう。
 大谷の目指す二刀流は、野球というスポーツにおける「全体的に優れた資質」を向上維持することで活躍したいという気持ちの現れであろう。実際に、高校野球レベルまでは、まだまだ投手で4番打者という選手はいるし、以前は、そういう選手のいるチームが強かった。高校野球も分業が次第に進んでいるが、それは野球留学などで個性に応じた選手を使い分けられるチームが、勝ち進むようになってきたからだろう。
 しかし、人間の原点は、やはり「総合力」ではないだろうか。いくら分業が進んでも、最も高く評価されるのは、総合力で抜きんでているひとだろう。
 音楽の分野では、最も総合力の優れたひとは作曲家であるが、歴史に残る偉大な作曲家はすべて一流の演奏家でもあった。芸術的分野では、今でもそうした評価の観点は強いのではないだろうか。
 スポーツは記録が重要だから、張本のいうように、二刀流では記録が残せるような活躍ができないというのは、現在の評価基準がそうであるからで、そもそも総合力が高くなければできない二刀流に対しては、それにふさわしい評価基準を今後つくっていけばいいのである。
 陸上競技では、十種競技で優れたアスリートが最も尊敬されるという話をきいたことがあるが、野球でもそうした観点が今後求められるというか、大谷がそうした基準をつくりだしていくかも知れない。そう考えるほうが、夢があるのではなかろうか。

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