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zoom RSS 創造説から知的計画へ?

<<   作成日時 : 2005/06/07 22:34   >>

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 今日の朝日新聞(インターネット版)にアメリカで「創造説対進化論」に変わる「知的計画 Intelligent Design 対進化論」という図式ができつつあり、教育委員会の選挙での争点になっていると報じている。先進国では、おそらく唯一、進化論が間違っているような議論が教育現場にあるのがアメリカであり、これはアメリカの知的雰囲気を示すものとして、極めて興味深いが、とくにカンザス州では、最近進化論をカリキュラムから外したり、入れたりと、政治的勢力の変遷に応じて、変わってきた。
 実はずっと以前、私が高校だったときに、同級生が1年間AFSでアメリカに留学してきたのだが、そのときに非常に印象的な話として語ってくれたのが、「アメリカでは進化論を教えちゃいけなんだぜ」ということだった。みんなでびっくりしたものだ。
 その後次第に進化論を教えることが常識になっていったが、20世紀も終りになったころに、創造説が息を吹き返している部分がある。
 この朝日の報道するところによると、アメリカ人の「55%は、神が人間をつくったと信じ、27%は進化の過程に神が関与したとし、全く神がかかわっていないとする人は13%にとどまった」ということらしい。アメリカ人の90%は本当に神がいると思っているという統計もあるから、驚くほどではない。
 試しにニューヨークタイムズの記事検索をやってみると、「知的計画」ということに関連した記事が50件弱ある。もちろん、その多くは、知的計画論への批判的なコメントである。
 日本では進化論は当たり前のこととして教えられているから、アメリカとは状況が異なる、と考えると、実はそうでない経験をしている。「生物学」の授業の内容における対立として、このアメリカの進化論と創造説の対立を授業で紹介すると、学生たちの多くは、「それは対立したふたつの見解なのだから、ふたつをきちんと教えるべきだ、という主張をする者が多いのである。「創造説は科学ではなく、宗教なのだが」と説明しても、科学だろうが、宗教だろうが、ひとつの現象に対する二つの説明なのだから、一方だけ教えるのは、「洗脳だ」とは言わないがそれに近い言い方をする。
 ニューヨークタイムズの記事にもあったが、「科学は不完全」であり、現在の科学で説明できないことがある。進化論もそうした今の段階で説明できない部分がある。しかし、だから、それを「宗教的な説明」や全く証明されない論理で説明するのは、間違っている。科学的分野であるためには、科学的方法によって説明しなければなぱらないし、それで説明できないことは、まだ説明がつかないという形で教えなければならないのであり、「神が作った」は論外としても、なんらかの力が作用した、などという論理は導入してはならないと思う。しかし、それが、かなりの部分、学生たちの共感を呼ばず、なぜ、ふたつを平等に教え、それぞれ受け取った者の判断に任せることはできないのか、というような怪訝な様子を示すのである。
 つまり、決してアメリカだけの問題ではないということだ。

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カンザス州
カンザス州カンザス州 (Kansas KS) はアメリカ合衆国の中西部の州。ネブラスカ州、オクラホマ州、コロラド州、ミズーリ州と隣接する。グレートプレーンズ(大平原地帯)の真っ只中で牧畜が盛ん。州都はトピーカ|トピーカ市 (Topeka)。俗称は「アメリカのパンかご」州最大の町はウィチタ|ウィチタ市... ...続きを見る

2005/06/12 00:50

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