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zoom RSS フィンランド教育相の話から

<<   作成日時 : 2005/07/05 21:36   >>

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4日付けの朝日新聞にフィンランド教育相の語った言葉が紹介されている。フィンランドはPISAの学力テストで1位となって、大きな話題になっている。しかし、実はフィンランドはもっと別なところでも大きな話題となってよさそうな国であり、実に国としての、そして国民レベルでの力量が高い国になっている。経済競争力の調査で、アメリカを抜いて一位にもなっている。もっとも、その種の調査はたくさんあるから、いつでもトップというわけではないが。また、政治的な清潔度調査でもトップクラスである。
これまでイギリスの福祉政策が批判されてきたときには、福祉政策をすると労働意欲が減退して、経済力が落ちるということがさかんに言われた。新自由主義の基本的な認識がそこにあるわけだが、実際には、もっとも福祉政策の行き届いている北欧が、経済競争力も、また、国民の学力もトップグループであり、生活満足度調査でも常にトップにくるという構造になっている。つまり、福祉政策こそが、国民の経済力を増進させ、また、生活レベルを引き上げるというのが、現実の示すところなのである。
 そして、フィンランドに限らず、福祉国家の学力の高い国では、大きな共通点がある。それは、学校の裁量権が大きく、親は学校を選択する自由度が大きく、競争試験によって生徒が動機付けられていないという点である。
 最近教員をめざす学生と一緒に、「集団面接」の練習をしたのだが、そのときに出した「習熟度別学級」については、あまりに無批判に賛成しているところがある。これも、おそらく不十分な「個人の尊重」論議に影響されているのだろう。
 習熟度別クラスというのは、能力の固定でしかないし、また、揃えて教育するという姿勢、教育観のあらわれである。本当に一人一人の能力や個性に応じた教育をするのであれば、ひとつのクラスの中でそのようなことを実現する方式を実践するのが正しいし、また、教師に力量があれば多様な能力や個性を実践の中で有効に結合させ、活かすことができる。もちろん、それをすべての教師に求めるのは、難しいという実際はあるにせよ、教師が健全に育つ環境にないことこそが問題であり、習熟度別学級には、効率的に揃えて教育するという、競争的な教育の原則が濃厚である点について、批判意識がないことを、その際には注意した。
 フィンランドの教育相は、「能力別クラスをとらない路線の正しさが確認された」と述べたというが、全体の学力向上ということを考えれば、習熟度別学級はマイナスの面が強い。
 フィンランドをはじめとして、北欧諸国から学ぶところは、政治の透明度だろう。オンブズマン制度がスウェーデンで考えられたことはよく知られているが、何か大きな問題が起きたときには、国民投票で決める風潮が強く、国民の政治監視意識は非常に高い。
 そうした国民の意識もまた、学力の高さを実現していることを忘れてはならない。
 

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