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zoom RSS 福井県教育委員会の夏季講習

<<   作成日時 : 2005/07/24 23:04   >>

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 少し前の記事にさかのぼってみていたら、福井県の教育委員会が、東大、京大、福井大、金沢大の4つの大学の志望者に限定して、無料の夏季講習をするという記事が出ていた。高校教祖は反対し中止を申し入れているそうだ。 教育委員会が予備校の代わりを、しかも無料で、特定の大学志望者だけを対象に行うというのは、かなり「異例」というべきだが、その理由は、朝日新聞によると、次のようなものらしい。
(1)西川一誠知事のマニフェストに全国上位の学力の達成が盛り込まれているとして、02年度から毎夏、大阪や名古屋の大手予備校に高校教諭数人を派遣研修に出したり、県立の進学校に教諭を重点配置したりするなどの施策をとっている。4国立大学の合格率は学力の指針の一つとしている。
(2)県内には大手予備校がない。合格率を上げるだけでなく、生徒が学校を超えて集まり、切磋琢磨(せっさたくま)できる
ということらしい。(朝日7.14と15の記事)
 反対の理由は、教祖としては、特定の生徒だけ対象とするのは、教育の平等に反する(教育基本法の機会均等の原則に反するということだろう。)、2日間の講習ではほとんど効果がない。
 また次のような批判も紹介している。

  <学習塾を経営する教育評論家の小宮山博仁さんの話> 税金で運営される公立の学校にはさまざまな教育目標があるはずで、大学合格だけを目的にするのはおかしい。基礎学力を身につけさせ、社会にどのような貢献ができるのかを考えさせる場であるはずだ。 (14日)
 
 教育委員会が受験産業をやろうとし、受験産業の人が、それは学校の教育目的に反するのではないかと批判されるというのは、実に妙なものだが、なんとも哀しい状況が教育現場に浸透しつつあるということを示しているように思われる。
 特に小泉内閣になって、東京と地方の格差が目立って拡大し、地方の疲弊が指摘されて久しい。なんとか、地方は生き残りをかけて、地域を振興させなければならない。しかも、文部科学省は全国学力テストをやろうとしている。そして、そこでは学校ごとの成績を公表するようだ。学力テストは義務教育段階だけで構想されているとしても、それは地方ごとの「学力」を全国的に比較されることになる。
 こうした中で、「お決まりの?」受験競争で勝ち抜くことを、学校教育の最大の目標(?)に掲げて、なんとか努力していることを見せなければならない。結果として効果があれば、全体としての底上げにつながる。
 と、こういうことなのかも知れない。あるいは、新聞で指摘されているようにパフォーマンスに過ぎないのかも知れない。しかし、これは、「いつか来た道」でもある。1960年代の全国学力テストでは、四国を中心とした中学が舞台であったが、一方富山県もまた、七・三体制として有名であった。福井県で同じことが起きない理由もない。
 
 しかし、「教育基本法」に反しているかどうかは別としても、アナクロニズムではないかと思う。
 今ヨーロッパでは、かなり学力競争に走っている面があるが、それでも、決して、「受験学力」に走ってはいない。むしろ、特に高校段階では、「考える力」「自分で課題を設定して調べ、まとめる力」を中心にして、教育を再編することが進んでいる側面が強い。
 これからの知的リーダーは、受験学力で得られる(そんなものはすぐに忘れてしまうことが多い。)皮相なものではなく、知識はもちろんのこととして、「構想力」のようなものを鍛えようとしているのである。
 東大や京大を受験する学生を集めて、そうした皮相な学力を高めようとしているのが、アナクロニズムでなくてなんだろうか。
 それに4つの大学だけを指定するというやり方にも、あまりに「貧相」な感性が浮き彫りにでているようで、哀しいものがある。

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