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zoom RSS オランダの社会と文化 日本と比較しながら(16)

<<   作成日時 : 2006/06/21 21:18   >>

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(断り ここで売春問題とオランダの歴史が続くのですが、準備のため後回しにし生活の諸相の紹介に飛びます。)

生活のための社会構造

 人気漫画家だったおおば比呂司は、六一歳でオランダのユトレヒトに移住したことでも知られている。移住の理由は「生活しやすい」からだったそうだ。確かにオランダは生活しやすい社会である。私も年取って、自由に生活の場を決められるなら、やはりオランダを選ぶだろう。オランダは人工的に造られた社会だから、生活しやすいのは当然かも知れない。しかし、それはやはり苦労の末出来上がったものだ。ここでは、具体的にどんな風に生活しやすいのか、できるだけ体験を踏まえて書いてみたい。体験はどうしても偏ったものだから、それはオランダの一般的な姿ではないと感じられるところもあるかも知れない。それは予め断っておきたい。
 オランダの生活しやすさを考えると、何よりもまず「水と緑」に囲まれていることに思い至る。生物としての人間にとって、「水と緑」は生命の根源だろう。日本が年々住みにくくなっていると感じる大きな理由に「ヒートアイランド現象」がある。水と緑が極端に少なくなり、コンクリートに囲まれたことによって起きる。オランダにも市街地はあるが、日本のように広い市街地はないだけではなく、少し市街地から出れば、たいてい広大なポルダーが現れる。


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私が住んでいたアパートから15分くらい歩くとこのポルダーがある。公園にもなっていて、散歩したりジョギングしたりしている。また、暖かい日はのんびりと家族でくつろぐ姿も多い。この写真では小さくて見えにくいが、運河の向こうの牧草地帯にはたくさんの羊や牛、馬が放牧されている。放牧されている羊たちをみていると、ほんとうにゆったりした気分になる。彼らは運河で仕切られているので、決して逃げないのだそうだ。だから、普段はまったく飼い主などは見かけない。馬も私が二年間いた間に、ただの一度も走る姿をみなかった。「馬なんだから走れよ!」と何度か思ったものだ。
 牛は冬は牛舎に入れられるようだが、羊と馬は一年中放牧されている。非常に寒い日、羊たちが座ったまま、きれいな輪になって肩寄せ合ってじっとしていたのをみたときは、「羊たちも寒いんだ」と妙に感心してしまった。  

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水と緑はこうしたポルダーだけではない。運河はオランダ中どこにもあるが、あちこちに昔の金持ちたちの屋敷が残っている。こうした建物は今では個人が住んでいることはほとんどなく、様々な施設として使用されているが、周りは森で囲まれ、大きな池が運河とつながっている。そして、森のあいまにある草原は家族の憩いの場である。昔の貴族たちは、屋敷から直接ボートに乗って池から運河に出て行ったのだろう。
 近年開発が進み、次第に市街地が増加し、ポルダーが減少しているようにも見えるが、他方今でも埋め立ては続いていてポルダーが新設されている場所もある。オランダ人にとって、水と緑は人工的なものでありながら、「自然のくつろぎ」を与える土台のようなものだ。

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