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zoom RSS オランダの社会と文化 日本と比較しながら(14) ドラッグ3

<<   作成日時 : 2006/06/13 21:01   >>

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 1992年の秋、オランダ滞在の初期にロッテルダムで麻薬に関わる大きなニュースがメディアを賑わせた。ドイツから流れてくるライン川が北海に注ぐ河口にできた港町で、EUの貿易港がある街だ。日本からヨーロッパに送る小包などはロッテルダムを経由する。キュービックハウスや歩行者天国を既に紹介したロッテルダムは、また別の側面で麻薬の中心のひとつであり、特にロッテルダム駅構内には、中毒患者がたむろして異様な雰囲気であったという。
 そうした麻薬の巣窟になっている事態に憤慨した海兵隊の一部が、麻薬中毒患者一掃を叫んで、ロッテルダムに「麻薬退治」に向かおうとしているというニュースが流れたのである。結局、政府が介入して暴力沙汰にはならなかったが、軍の人たちがそういう行動を起こしかけたことで分かるように、麻薬の合法政策への反対もある。
 また、1994年には、マーストリヒトで、麻薬政策が多少転換した。マーストリヒトは、有名なEU条約が結ばれた都市だが、オランダの南端、ベルギーとの国境の都市で、ルクセンブルクやドイツにも近い。そこで麻薬バスで無料の麻薬をもらおうと、外国からの越境者が多数あった。そして、犯罪なども増加したと言われた。そこで、市が、外国人には麻薬を無料で与えないことを決めたのである。日本のような国境のはっきりした国家なら、当然国外退去処分になるところだが、ヨーロッパ連合は国境がなくなっているので、外国人は無料麻薬から排除という措置をとった。理由は、外国人の常習者は犯罪を犯す割合が高いということであった。実にオランダらしからぬ(?)理由であった。麻薬の常習者が犯罪を犯す割合について、国籍は関係ないはずである。
 テレビのインタビューに答えていたマーストリヒト市民は、多くが麻薬の合法化について批判的な見解を述べていた。
 こういうときに感じられるのは、オランダ国民は必ずしも麻薬の合法化政策に全面的に賛成しているわけではということであった。
 では、麻薬と犯罪の関係はどうなのだろうか。禁止されているハードドラッグについては、他の国と同じような事情があると考えられる。むしろ、変わっているのは合法化されているソフトドラッグに関わる犯罪であろう。
 いくら合法といっても市中では無料ではないし、許されるのは少量だ。そこでやはり「麻薬代稼ぎ」の犯罪が横行していた。2002年にはかなり減っているらしいという雰囲気を感じたが、なくなったという話はきかない。
 それは「自転車泥棒」である。オランダは先進国で唯一自転車が通学・通勤の重要な手段となっている国だ。しかし「自転車泥棒はオランダ人の趣味」とまで揶揄されるほど横行している。オランダでは家の自転車を日本のように庭や門のところに置いておくことは決してない。家の奥側の庭にある物置に厳重に鍵をしてしまうのが普通だ。私がオランダに家族と共に暮らしたときの家主は、すべての家財を自由に使ってよいと言ってくれたが、自転車が唯一の例外で、自転車は使わないでくれと使わせてくれなかった。もちろん、盗まれる可能性が大だからだ。自転車に乗っていた日本人の若い友人は、1年間の滞在中に3台盗まれてしまった。自転車盗難の話は、オランダでは尽きない。
 なぜ、自転車を盗むのか、それは麻薬代を稼ぐためである。盗んだ自転車は闇の自転車取引にもっていかれ、そこで麻薬1回分に相当する代金で引き取られる。盗人はコーヒーショップか麻薬の売人のところに走り、自転車は中古自転車を扱う店に卸される。そして、その安い自転車を盗まれた人が買い、再び盗まれる。こういうように、自転車が麻薬中毒の窃盗を媒介としてぐるぐる回っていると言われていた。
 90年代の初頭には、自転車の鍵は江戸時代の時代劇の牢の鍵のようなものを含めて、最低3個必要で、2つだったら確実に盗まれると言われていた。実際に街で、バーナーで自転車の鍵を焼き切っている姿を何度か見たが、自分の自転車の鍵を忘れたのか、他人のを盗んでいるのか、周りには検討がつかないし、自分のものでなければ面白い見せ物だ、というような感じで多くの人が見ていた。2002年には、2つの鍵しかつけていない自転車を多数見かけたから、改善されたのかも知れない。

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