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zoom RSS 産経新聞は喫煙者保護?

<<   作成日時 : 2012/01/03 11:34   >>

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 産経新聞としては、社をあげてたばこを守る、喫煙者を保護する政策をとっているかのような報道が続いている。8月16日には「「喫煙文化研究会」でバッシングにNO たばこの効用に理解を」と題する記事を掲載し、9月11日には「 たばこ増税への反論!野田政権の安易な増税路線をただす」という高橋昌之氏の署名記事を掲載していた。そして、9月23日、秦郁彦氏の「たばこ増税策の「不都合な真実」」となる。そして、自民党の反対で野田内閣が、たばこ増税をあきらめたと勝利宣言のような記事が掲載されている。秦氏の「正論」について、秦氏もこのような詭弁を弄するようになったかと思わざるをえないので、批判をしておくことにする。
 立場の違う者が議論する場合には、相手の論をねじ曲げたり、主張していないことを勝手に持ち出して、いかにも相手がそのような立場をとっているかのごとく見せかけて、それを批判するという手法がとられることがままある。しかし、それは議論にならないし、批判している者自身が、相手を正当に批判できないことを示しているとみるべきだ。
 今回の秦氏の批判の手法には、それが二つ見られる。結論的に秦氏はたばこ増税に反対しているが、その論理の詳細は省く。小宮山厚労相を批判する中で、以下のような論理を持ち出している。
 たばこ増税には、健康増進派という援軍がいると紹介した上で

 「だが、健康増進を重視するのであれば、国民が聞きたいのは、何より原発事故に起因する放射能汚染の収拾策ではないか。他にも、年金問題など厚労省の所管事項で早急な処理を迫られている課題は少なくない。原理主義的な禁煙論なら、「法律で禁止するよう、正面から主張したらいい」し、「病院で禁煙治療を推進する施策」(いずれも9月11日付のMSN産経ニュース)を進めればよい。」

と主張している。
 すぐにわかるように、健康増進を重視するなら放射能問題だなどと、関係ないことを持ち出している。放射能問題もちろん重要だが、健康問題にとって、たばこも重要だ。放射能が問題だから、たばこは健康的観点から扱うのが間違っているとでもいうのだろうか。放射能は大きな健康問題であるが、たばこも同様である。秦氏の論法は批判の体をなしていない。
 そして、次に原理主義的な禁煙論なら法律で禁止するように主張したらいい、などといって、そのあとで、アメリカの禁酒法の失敗を持ち出し、法律による禁止の無意味さを強調する。しかし、誰かたばこそのものを禁止するような主張をしているのだろうか。私の知る限りそんな人はいない。誰も主張していないことを「主張したらいい」などといって、その主張が無意味であることを述べる。いかにひどい批判の手法かは、誰でもわかるだろう。喫煙者を減らすのに、禁止と値段をあげることがあるが、値段をあげることの方が社会的な弊害が少ないことは、誰にも明らかなのだから、増税論が出てくるわけだ。
 増税論は、税収の増加と喫煙者の減少というふたつの効果があると考えられるが、より重要なのは、喫煙者の減少と考える人も多い。また、税収そのものは増えなくても、病気が減ることによって、医療費が減少することによる実質的な増収が図られるという意見もある。この点については、秦氏は触れていない。
 次に秦氏があげるのは、日本のたばこ代は決して安くないという「数字」である。

 「各国の平均価格を調査した世界保健機関(WHO)の「たばこアトラス」でも、ノルウェー(920円)を筆頭に、日本は19位(410円)で、アメリカは20位。以下、韓国(50位)、中国(61位)、ロシア(82位)と続く。どうやら、日本のたばこは安すぎると卑下する必要はなさそうだ。」

 ここで秦氏があげた国は非常に興味深いものがある。日本のたばこは安くない、もっと誇ってよいという主張のようだ。日本の倍もするノルウェー、日本より安い韓国、中国、ロシア、同等のアメリカという国を出しているわけだが、興味深いのは、民主主義の水準の国際的な調査で、たばこの安い国は低い水準にあるということだ。韓国や中国、ロシアの民主主義水準が日本より高いと、秦氏は思っていないはずである。ノルウェーは民主主義水準が、多くの調査で高い国である。秦氏のあげた数値は、たばこの値段が高い国ほど、民主主義の水準が高いということを示しているようだ。もちろん、そんな調査ではないから、断定的にいうつもりはない。はからずも、秦氏はそのようなことを示してしまったということだ。

 秦氏は「愛煙家」という、今でも死語となった言葉を使用していることでわかるように、たばこの害、とくにたばこを吸わない人が、どれだけたばこの害を被っているかについて、ほとんど自覚がないようだ。たばこが健康に悪い影響があることは、もはや否定する必要はないだろうが、自分の意志でたばこをすっている者が健康を害するのは、その人の自由かもしれない。しかし、たばこを吸わない者が、害のある煙を強制的に吸わされることは、本当に迷惑なのである。そういう意味で、たばこの値段は、もっともっと高くあげ、その収益で健康増進の施策をもっとするべきなのである。たばこを吸わない者が、間接喫煙で健康を害したときの医療費を補填するとか、いろいろあるだろう。あるいは、企業が喫煙室を作るときの補助金にしてもらってもいい。レストランなどはぜひそうしてほしいものだ。

 秦氏の「正論」は、「増税反対論の不都合な真実」を明らかにしてしまったようだ。
 また自民党という政党が、いかに国民の健康問題を軽視しているかを、今回のたばこ増税反対論で示されたと思う。

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