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zoom RSS 文部科学省協力者会議の「部活も年間指導計画を」という提起は、間違った方向だ

<<   作成日時 : 2012/07/16 22:14   >>

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 7月9日付け「日本教育新聞」によると、文部科学省の「体育活動中の事故防止に関する調査研究協力者会議」が、部活動中の深刻な事故が多く起きているので、部活動にも「年間指導計画、単元計画、練習計画などを作成する必要」という報告書を公表したという。文部科学省のホームページには、まったくその情報は書かれていないので、詳細はわからないが、全く方向性の間違った議論といわざるをえない。

 そもそも、部活動は学校の正規の教育課程ではない。そこに、学校の教員が「顧問」として張りつき、責任をもつこと自体がかなり歪んだ形である。部活動を教師活動の中核においているような教員もいるが、それは本末転倒というべきだろう。日本は学校体育の形をとっているが、更に学校単位で部活が行われることで、学校の機能肥大化が極限まで進んでいるし、教師の多忙さが抜き差しならない程度にまで達している。こうした中で、顧問がいないときの事故が多くなっている。
 もっとも顧問がついていれば問題がないというわけでもなく、せっかくのスポーツであるのに、顧問がそのスポーツを全く知らないこともあり、まっとうな練習が難しい状況も少なくない。更に、最近は「手当て」が出ることが多いようだが、それでも少額だし、以前はまったくのボランティアであったために、顧問のなり手が少なくなっている。
 事故が多くなるのも不可避だろう。

 そうした中で、更に教師の負担を高めるような指導計画作成の強制で、事態の改善をもたらすとは思えないのである。現在、学習指導に関して、詳細な年間指導計画を建てている学校が多いが、詳細であるほど、実際に授業で教える教師が作成に関わっていない傾向があるように思われる。「実際には授業をしない主幹教諭」が作成する場合もある。そんな指導計画がどれほど実効性があるだろう。
 体育の部活の年間指導計画だって、そうならない保障はない。練習計画は生徒自身に建てさせることが基本としているが、年間指導計画と単元計画は、教師が作成する。その負担は大変なものだろう。

 授業後に行われる体育等の部活動が、学校の広い意味での教育活動として行われることに、もともと無理があるのだ。そこに教師が中心的に関わっていたら、教材研究等の授業準備が疎かになることは、目に見えているし、そもそも、中学や高校であれば、それなりに高度なレベルでのスポーツ活動になるから、もともと素人である教師が指導することに無理があるのだ。そこにこそ、事故の背景があることを見る必要がある。
 安全配慮、技術指導、楽しさの伝授等、すべての点において、専門の種目の指導者が優れており、学校の枠を超えた、地域のクラブ活動として、放課後のスポーツや文化活動を実践する体制に、日本も移行すべきであると強く主張したい。日本は社会体育システムをとっていないので、施設が学校にあるわけだが、放課後の活動では、学校の枠を取り払い、施設管理は学校ではなく、社会教育の領域が行うようにすれば、現在の部活より、ずっと充実したスポーツ活動が可能になるはずである。

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