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zoom RSS 須磨学園の体罰事件

<<   作成日時 : 2013/09/17 13:10   >>

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 西和彦氏が校長を務めている須磨学園で、体育の授業に遅刻した生徒が多数いたので、授業に参加する180人全員を裸足でテニスコートをランニングさせ、68人が水ぶくれなどの軽いけがを負ったと報道されている。(産経ニュース9.17)
 いろいろと驚くことが多い。
 まず、体育の授業を180人も一緒にやるのかということ。体育祭の組体操の準備ということらしいが、それならば臨時の体育だったのだろう。いつもと違う授業なのだから、遅刻したり、あるいは帽子を忘れる生徒がいるのは、当然予想される事態だ。遅刻がどの程度なのか書かれていないので、わからないが、帽子を忘れたからといって、組体操にそれほど重大な障害があるとは思えない。「今度はちゃんともってこい」程度の注意で十分だろうし、もし、熱中症対策というのならば、罰の内容がおかしなことになる。
 暑い日だったと思われるが、たぶん暑くなっているだろうコートの上を、裸足で走らせるというのが、いかにも、旧体質の感覚と思わざるをえない。西氏は、「体罰の意図はなかった」と弁明したらしいが、水ぶくれになるなどの症状がでることは、十分予想されるようなことを強制的にやらせることが、「体罰の意図ではない」というのも、驚くべき感覚だ。しかも、ちゃんと来た生徒たちも、全員走らされたのだから、連帯責任という、合理性のない、これも旧体質の「おしおき」的発想だ。
 それから「教頭と3人の教師」が相談して決めた罰らしいが、謹慎処分を受けたのが教頭を含む2人だとされているが、相談して決めたのに、2人は何も問われていないということになる。調査機関をたちあげて「体罰かどうかの判断を仰ぐ」というのだが、68名も怪我をさせて、「体罰かどうか判断してもらわなければ」自分で判断できないのであれば、およそ教育者として失格だろう。あるいは、ネット上で多数存在する「体罰賛成論」の人からの応援メッセージが寄せられることを期待してでもいるのだろうか。
 そして、何よりも問題なのは、遅刻や忘れ物をした生徒に対して、「裸足で走らせる罰」を課すという、まったく合理性のない対応を、しかも、無関係の者も含めて課す方法が、子どもたちに、適切な対応をとる力を育てるという観点で、まったく不適切な教育スタイルだということだ。
 私は、「教師の懲戒権」自体が問題であると認識しているが、それは、このような、その場の「怒り」で体罰が行なわれる危険性が常に存在するし、更に、そうした「罰」はほとんどの場合、行なわれた生徒の不適切な行為を改善させる効果がないようなことが強制されるからである。怪我をした生徒たちが、遅刻や忘れ物にたいする真剣な反省と、今後しない姿勢が身につくことなど、あまり期待できないだろう。「懲戒」は校長が、行動をよく調べた上で、後日、規定された懲戒を行なうようにすべきで、教育の実際で起きた場合に、教師がとる対応は、常にその効果に対して説明責任を負うものとしてなされるべきなのである。
 今回の事例は、教師の懲戒権があるが故の、端的な悪しき例だといえる。

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コメント(3件)

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人と助け合うことの大切さを教えるのに「連帯責任」というネガティブな角度から教育しようとすること自体間違っていると思うけど、生徒には連帯責任を負わせるのに、教師は連帯責任を負わないというのは全くのダブルスタンダードだね。分野は違えどこういう理不尽な現場が多いからこそ「半沢直樹」がヒットするわけだ。あれはスカッとしますよ。
chojo
2013/09/19 12:44
帽子を忘れたことに関しては、それまで再三注意したのにも関わらず、忘れる生徒が同じだったからであって、教師2人が何も問われなかったことについては、その2人の教師は途中で止めに入ったからだ何もわかってないやつはやっぱり困るな。
shikaku
2013/10/13 00:19
shikakuさん、コメントどうもありがとうございます。でも、「わかっていなくて困る」のはあなたの方のような気がしますが。報道されている内容から判断せざるをえないので、可能な限りいろいろな報道をチェックはしますが、確かにあなたのいうように「途中で止めに入った」ために処分を免れたという事実があったのかも知れません。でも、そのことによって、上記書き込みの内容やchojoさんの指摘が間違いだということにはならないでしょう。再三注意したのに同じ生徒が忘れていたためにやった懲戒としての裸足のランニングであったのなら、その生徒に課せばいいことであって、忘れてもいない生徒にも課したのは、明らかに「連帯責任」という恐ろしく旧体質のやり方で、おかしいし、それをあえてするなら、教師だった同じ原理を適用させるべきなわけです。生徒には、無関係のものに罰を課しながら、教師はそうではない、そういうダブルスタンダードを批判しているのです。「途中で」止めに入ったからといって、関与したわけだし、けが人をだしたことは確かです。全然無関係の生徒よりは、罪が重いのではありませんか。
wakei
2013/10/13 10:28

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