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zoom RSS アサイチの「子育てするなら流山」をみての疑問

<<   作成日時 : 2016/09/23 18:33   >>

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 NHKの朝の人気番組「アサイチ」の中で、「子育てするなら流山」として流山市が紹介された。後日「みのがしオンデマンド」で見たのだが、いくつかの疑問を感じた。念のため、私はNHK嫌いではなく、見るに値するTV 番組はNHKが殆どだと思っている。この日の番組も、一部にのみ疑問があることは断っておきたい。

1、「送迎保育ステーション」の問題
 「子育てするなら流山」ということで、乳幼児を持った親たちが、かなり流山に転入しており、市の側も、そのようなスローガンで積極的に若い世代に呼びかけをしているとの説明があった。その若い世帯の支援体制の一つが「送迎保育ステーション」である。
 朝、直接保護者が保育園に子どもを連れて行って、それから勤め先に出かけるのではなく、出勤時に自分の使う最寄駅前のビル内にある保育施設に子どもを預ける。預けられた子どもたちはそれぞれの保育園に登園時にバスで送られ、また、降園時にはそれぞれの保育園からバスで集められて、保護者が迎えに来るまで、ビルの中の施設で過ごすというシステムだ。仕事を持った保護者は子どもを駅前施設で受け取り帰宅する。だから、勤務時間を短縮することなく、保育園への送迎にそれほど煩わされずに働くことができるというわけである。番組とは別に調べてみたところ、現在、市内の主要な2駅に隣接するビル内に「送迎保育ステーション」は開設されており、市役所の報告では2015年度の利用者は延46、000人ほどであった。
 番組のコメンターたちは「素晴らしい」の連呼であったが、本当にそれで万々歳なのだろうか。もちろん、現在の勤務時間を前提に考えれば、それは一つの解決策であることは事実だが、子どもや家庭の視点から見れば、疑問を拭えない。番組では、かなり早い時間帯、つまり朝の7時台に駅前施設に子どもを預け、夜になってから受け取るという様子が紹介された。つまり子どもにとっては、たっぷり12時間以上も2つの保育施設に預けられていることになる。こうした家庭では、朝も帰宅後も食事や洗濯、掃除等で戦争状態だろうから、ゆっくりした親子の交流は難しいだろうし、保育園への送り迎えが省かれるので、保育にとって最も大事な保育園の保育者と保護者の子どもに関しての情報交換の日常の機会も少なくなることだろう。これは、本当に子どもにとって良いことなのか。100%疑問無しのような番組の姿勢が意外だった。
 よく引き合いに出されるのは北欧の充実した保育体制である。北欧では、労働時間は日本よりも格段に短く、子どもを12時間以上も保育施設に預けていることなど極めて少ないはずである。夫婦共働きであれば、十分な収入も保証され、保育園もそのような前提で運営されている。もっと違うのは、オランダである。ワークシェアリングの発祥の地であるオランダでは、子どもが小さい間は可能な限り、どちらかの親が子どもと過ごせるようにしており、労働時間を夫婦で割り振ったりしながら、毎日子供を保育園に預けることを避けるような工夫をしている。
 日本人は、かつてほどではないにしても、国際的にも極端な長時間労働であるのは今でも変わりがない。これを前提に保育園の体制を整えたら、子どもの負担も大きいだろうし、親子が共に過ごす時間は極めて制限されてしまう。そのことは、やはり番組の中で問題とすべきではないかと思うし、そのことについての悩みを語っている親もいないのが不思議だった。

2、小学校や中学校の混乱
 「子育てするなら流山」は、保育園事情に関しては、ある程度妥当する面があるとしても、小学校について触れていないことにはかなり疑問を持った。ツクバエクスプレス(以下TX)の開通と同時に流山の開発が進んだが、その中心は「流山おおたかの森」駅周辺地区で、続々と高層マンションが建設され、現在でも更にあちこちに大型のマンション群やアパートが建てられつつある。若い世帯の入居は、当然子どもたちの小学校が問題となる。「流山おおたかの森」駅地区には、現在の新しい駅近くに古くからの伝統のある小さな小学校があったのだが、マンション建設計画のために、駅から少し離れた場所に移転させられた。それはあくまでも移転であって、集合住宅群建設のための新設校ではなかった。新設の小学校がなかったために、マンションに移住してきた新住民の子どもたちは、その移転した小学校に入学することになり、たちまちあふれてしまった。移転させられた小学校は新たに校舎を建設したので、設備が良かった。最新の設備を備えた小学校を目指して更に転居してくる住人も少なくなかった。
 数年後、新設の小中一貫校が建設され始めて、ようやく昨年度開校したが、間もなく飽和状態になると予想されている。ところが、「流山おおたかの森」駅地区周辺以外では、子どもが少なく、閑散としている学校もあった。多数空き教室のある学校と、子どもがあふれている学校というアンバランスが生じている。都市計画の不備と言わざるをえない。公団住宅が建てられて学校が必要となる事例など、全国でこれまで無数にあるのだから、そうした経験に学べば、マンション群の設置とともに学校を新設するか、あるいは、学区割の変更をするなりして、合理的な児童配置をする必要があったが、そうした行政は行われず、校庭に臨時のプレハブ校舎建設を行うなど、泥縄対応に追われているのが現状である。小学校時代も子育て時期に入ることを無視すべきではない。

3、自然
 「子育てするなら流山」でもう一つ気になったことがある。番組では、自然が豊かで、広大な森が残っているような説明があった。確かに近隣の松戸市や三郷市に比べると森の面積は多い。しかし、その森がどんどん切られている現状があるのだ。「おおたかの森」という名称からも分かるように、オオタカが生息しているとされる、その森は既に伐採が進み、三分の一ほども残っていない。オオタカの生息も危ぶまれている。様々な鳥や小動物、オオタカの餌となる生き物たちが生活していた江戸川沿いの水田はものの見事に埋め立てられ、巨大なクレーン車が何本もうごめいている。

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 番組では、他にも綺麗な鳥が紹介されていたが、日常的には見られない。むしろ私の職場のある
 越谷市の方が、沢山の鳥を見ることができるくらいだ。越谷市には森が殆どないが、川や運河が多いので、特に冬場には多数の鳥がやって来る。越谷市は夏が非常に暑い地として有名だ。数年前までは、暑い越谷市から流山市に帰ってくるとホッとしたものだった。緑の多い流山市と森の少ない越谷市の気温の差が非常に大きいのを感じていたが、しかし、流山市の乱発が進んだ昨今は、その差をあまり感じない。森がどんどん伐採され、その結果気温が上がったとしか思えないからである。
 こうした開発は、殆どTXの開通とともに始まった。それまで流山市の開発があまり進まなかった理由は、根強い住民運動の存在であろう。市内を横断する常磐高速道路は、自然を守ることを重視してきた住民運動の成果で、全て地下に潜らせた。しかし、最近の流山市の住民の構成と意識は変化してしまった。TX開通に関しては、一部を除いて市内は全て地上を走っている。開発は、かつて森と雑木林だった3つの駅を中心に進行することになった。
 どこでも同じなのだろうか、流山市の市政担当者は、人口が多くなることが良いことだと信じているようだ。数十年前の都市計画に順じて、道路を作り、マンション群を建設し、若い人たちがどんどん移住してくるのが市の発展だと思っている。しかし、日本全体が人口減少社会なのだから、人口が増えることは、むしろ広く見れば、アンバランスの拡大に過ぎない。新しいマンションに人が入れば古いアパートには空き部屋が増え、子どもがいれば活気は出てくるが、学校や保育所等々、様々な施設が必要となり、市の財政負担も増える。合理的な市政能力と十分な財政があれば、負担が増えても構わないが、実際には、小学校の校庭にはプレハブ校舎が並び、教員の補充に頭を悩ませ、とてもまっとうな教育環境とは言い難い状況も一方で生まれている。この傾向は10年以上続くであろう。そしてその後は、空き教室だらけの荒廃した学校が残るだけである。
 このような側面を無視し、子どもを蔑ろにして、自然が豊富で、野生の動物を楽しことができるかのような放映は、如何なものだろうかと、疑問を持たざるを得ない。

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(背後の森が一面に広がっていたが、一部が切られて手前のようになっているところが、至るところにある。)

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