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zoom RSS 文部科学省の天下りが問題

<<   作成日時 : 2017/01/20 22:30   >>

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 文部科学省の天下りが問題となり、事務次官が辞任する事態となっている。間隔をおいて何度も問題になってきた天下り問題だが、今回は、文部科学省と大学とが係わっているので、どこに問題があるのか、解決の要点はどこにあるかをを考える。
 問題となった事例は、文科省の局長だった人物が、在職中に早稲田大学への就職に関して相談していたこと、文科省が組織的にその就職を斡旋していたと考えられていること、離職後2カ月という短期間で就職したことなどが問題となっている。
 
 まず、官僚が再就職すること、そして、できるだけ能力を発揮しやすいところで活躍できることは、社会全体にとって必要なことであり、かつ望ましいことである。以前から、官僚は他の職業に比較して退職が早いわけだから、定年延長の社会的状況があるなかで、再就職が問題となるのは、当然ともいえる。天下り規制だけではなく、官僚の定年問題、離職のあり方も含めて改善がなされる必要がある。

 文科省と大学の人的関係だが、大学は、おそらく文部省・文科省の公務員たちの大きな受け皿だったと考えられる。私が大学に在籍していた間に、知る限り3名の元文部省の人が職員として採用されている。一人はキャリアであり、二人がノンキャリアである。もうかなり前のことになり、その後は採用されていないが、それは、大学側にネガティブな感情が少なからず生じたことによると、私は考えている。ただし、私は大学の管理運営に携わったことはないので、全く私の私見であるが。もちろん、文科省の人を大学に迎えておいたほうがよいという意見もある。大学の所管官庁は文科省だし、そこから職員を採用しておけば、何かと便利であることは、いうまでもない。実に多くの書類作成や交渉事項があるから、文科省にいた人材は、非常に役にたつわけである。しかし、官庁は担当組織を監督する立場であり、様々な権限を行使することで、コントロールする。そういう姿勢が大学に来ても発揮されるわけである。そのことが、教職員からは、あまりいい印象をもたれなかったたために、以後文科省からの受け入れは行われていない。そのことによって、運営の人たちの文科省との交渉が、厳しいものになっていることは、否定できないだろう。

 では、何故大学側が文科省の人材を求めるのか。毎日新聞に次のように指摘されている。
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  こうした規制強化の後も文科省で天下りあっせんが疑われる背景には、特有の事情がありそうだ。私立大は文科省から私学助成金などさまざまな補助金を受け取っており、文科省とのパイプが補助金確保に有利となるとの見方がある。日本私立学校振興・共済事業団によると、私立大の運営費に占める国の補助金の割合は15年度で9.9%。年々減少しているものの、文科省は特色がある教育を支援する特別補助金事業を創設するなど、一律ではない新たな補助金もつくっている。(毎日1.19)
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 確かに補助金という側面はあるだろう。しかし、補助金は法令によって決まっているものが多く、全く同じ品目で、同じ条件なのに、大学ごとに補助金の差がつけられるということは、あまりないだろうと思う。予め補助金の対象であるかどうかは、わかっているのが普通だから。したがって、大学が文科省との関係で神経を使うのは、むしろ許認可や評価に係わる点である。
 大学は7年に1度、自己評価を行って、それを所属の評価認証の組織に認証評価を受けなければならない。そこでかなり詳細に大学の施設や教育に関する調査を受けるのである。そして、勧告や助言を受けるのだが、それが非常に微細にわたっており、改善事項を改善しないと、認証を受けられないことになる。そして、評価項目等に文科省の指導が入ることで、かなり迂遠なやり方だが、文科省の大学への注文がかなり忠実に実現されていくことになるのである。教員の配置や数のような大きなことがらから、シラバスの細かい書き方まで、注文がつく。
 今大学は学生集めが死活問題になっているのは周知のことだが、学生に関心をもってもらうために、多くの大学は、学部や学科の新設・再編を繰り返している。そして、もっとも大きな権限を文科省が大学に対して行使するのが、この学部・学科の新設、再選の認可なのである。認証評価や、普段の指導に対する結果が芳しくないと、許認可が受けられない、そうすると、学生募集に弊害がでる、そうしたことの恐れが、文科省への「服従」の構図を生んでいる。それが、文科省による天下りの下地作りとまではいえないかも知れないが、大学側としては、自ずと文科省から人を受け入れたいという心情を生む可能性がある。
 
 では、有能な人たちを受け入れ、それが不正でないようにするためには、どうすればいいのだろうか。
 今回の問題は早稲田の教授としての天下りだったようだが、現在多くの大学では、教員は公募によって選任されていると思われる。公募だから、どのような担当科目をもち、どのような資格をもった人を求めているのか、公表することになる。しかし、結果はほとんど公表されない。応募して落ちた人に対しても開示されることはない。だから、実際に、どのような評価で、誰が採用されたのか、内部の者しかわからないのであり、そこに、形式上公募ではあるが、裏で採用される人が決まっているなどという現象も起こりうるし、その裏側を知られることはない。少なくとも公募された人事については、採用された人のどのような側面で評価されたのかを、簡単に公表することは可能であるし、また、そうしたオープンなやり方が、不公正な人事をなくしていくために有効だろう。
 私は、文科省出身の役人が、公募に自発的に応募して、その業績と能力、人物評価によって採用されるならば、問題はないと思う。ただし、本当に、業績と能力、人物によって選ばれたのかは、透明性が確保される必要がある。
 国家公務員法は、監督する役割の官庁と再就職先が癒着する温床になるなどとして、官僚の天下りを規制。職員が他の職員やOBに営利企業などへの再就職をあっせんする行為を禁止しているわけだが、そうした斡旋などなしに、本当に実力で再就職するような慣行が成立していくことが、社会全体としてもいいのではないだろうか。

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